公開数
体験談サイト

「クレヒス」とは? 債務整理をするとクレカ作れないって本当?

債務整理を行うと、金融関連のブラックリストに載ってしまい、新しいクレジットカードが作れなくなる、なんて話を聞いたことはありませんか? この記事では、債務整理をするとクレジットカードが作れなくなるのか、に対する回答やその理由、対策方法等について説明していきます。
債務整理を検討中の方はぜひ参考にしてください。


債務整理やクレヒスに関する基礎知識

まずは、前提となる債務整理やクレヒスに関する基礎知識について説明していきます。

債務整理とは

債務整理とは、借金を減らしたり返済を引き延ばしたりすることによって、借金がある人の生活を立て直す手助けをする方法です。
国が認めている法律で定められた手続きであり、借金の額や収入の有無、年齢等にかかわらず、誰でも利用することができます。
債務整理には、大きく分けて任意整理・特定調停・個人再生・自己破産の4つの種類があります。
任意整理は、消費者金融や銀行といった借入先の債権者と今ある借金について話し合い、生活に支障がでないように返済方法を決め直す方法です。
特定調停は、債権者との間に簡易裁判所の調停委員が入り、調停手続きによって債権者と話し合いをして、返済方法を決め直します。
個人再生は、裁判所に申し立てて借金の返済が困難なことを認めてもらえると、大幅に借金を減額できます。
自己破産は、裁判所に申し立てて借金の返済を免除してもらう(=借金が0になる)方法です。

これら4つの方法には、それぞれ事情による向き不向きやメリット・デメリットがあります。
したがって、債務整理を行う際には、自分の状況に適しているのはどの方法なのかを見極めることが重要です。

クレヒスとは

クレヒス(クレジットカードヒストリー)は、クレジットカードやローンを利用した履歴のことで、金融に関する信用情報です。
一般に、クレジットカード等を契約すると、その時点でクレジットカード発行会社等は、個人信用情報機関に、個人情報や契約日・契約期間、2年間分の入金状況等、様々なデータを登録・更新します。
このデータがクレヒスです。
クレヒスは発行したクレジットカード毎に作られ、各クレジットカード発行会社が自由に閲覧できるようになっています。

例えば、A社とB社のクレジットカードを使っていたとして、A社のクレジットカードに関するクレヒスは、A社のクレジットカードとは関係のないB社も自由に閲覧することができます。
さらに、利用者とは全く関係のないクレジット発行会社C社も閲覧が可能です。
このように情報を共有できるクレヒスは、新規クレジットカードを発行するときやローンを組むとき等に参照され、審査に活用されています。

信用情報機関とは

信用情報機関とは、クレジットカード会社、銀行、消費者金融、保証会社等の金融業者が、それぞれが保持している顧客の信用情報について登録し、共有するための機関です。
そして、信用情報機関が保持している情報が、前項で説明したクレヒスであり、「この人には全部でいくらの貸付があるのか」「遅延することなく返済しているのか」といった情報を共有しているのです。

信用情報機関は、株式会社日本信用情報機構(JICC)・株式会社シー・アイ・シー(CIC)・全国銀行個人信用情報センター(KCS)の3つがあります。
各信用情報機関にそれぞれ系統があり、JICCは主に消費者金融関係、CICはクレジットカード会社や信販会社、KCSは銀行が加盟しています。
といっても、実際は2つ、もしくは3つの信用情報機関に重複して加盟している会社がほとんどです。
なお、これらの信用情報機関同士も専用のネットワークによって、お互いに情報を共有しています。

債務整理をするとクレジットカードが作れなくなる?

債務整理やクレヒスの基礎知識を理解したところで、冒頭の質問に戻ります。
「債務整理をすると、新しくクレジットカードが作れなくなる」というのは本当かどうかについては、「債務整理後一定期間は作れない」と考えておいた方がよい、ということが回答になります。
具体的にどういうことなのかを、次項目以降で説明していきます。

良いクレヒス・悪いクレヒスとは

新規のクレジットカードを発行しようとする際には、クレヒスの状況が影響してきます。
クレヒスの説明の項でも触れましたが、クレヒスはクレジットカードの発行やローンを組むといった金融関連の審査の際に参照され、審査を通すか否かの判断基準として活用されています。
つまり、クレヒスの良し悪しが審査に直接影響しているのです。
クレヒスには、クレジットカード利用等における毎月の利用状況や各種支払い・返済に関する情報が記載されていますが、それらの情報の蓄積によって、クレヒスの良し悪しは判断されます。

クレジットカードを頻繁に利用し、期日に遅れることなく入金・返済ができていて、それが長期間続いていれば、いい加減な人ではなくお金に対してきちんとしている人だと評価され、優良なクレヒスと見なされます。
逆に、入金・返済が遅れたり滞ったりしていることが多いと読み取れる場合には、お金に対してルーズである、もしくは約束をしっかり守れない人と評価され、クレヒスの状態が悪いとみなされてしまいます。

債務整理をするとクレヒスが悪くなる?

債務整理を検討している方の中で、「債務整理をするとクレヒスの状態が悪くなるのではないか?」と思う方もいるのではないでしょうか?一般的に、債務整理を行うことによって、クレジットカード等の返済総額が減ったり、返済期限を延ばしたりできますが、クレヒスには「当初の予定通りには返済されなかった」旨が「異動情報」として記載されます。
この異動情報は、「事故情報」や「ブラックリスト」と呼ばれる場合もあります。
つまり、よく聞く「ブラックリストに載った」とは、「クレヒスに異動情報が載った」と言い換えることができます。

異動情報の種類については、借金の減免を申し出た場合の「債務整理」だけではなく、「遅延・延滞」や「代位弁済」、「強制解約」等があります。
遅延・延滞は、当初に決められていた期日から61日以上、もしくは3ヶ月以上支払いができなかった場合、そして代位弁済は保証人や保証会社が債務者に代わって返済を行った場合のことです。
強制解約は、借金を長期に渡り滞納し返済能力がないとみなされたことにより、強制的にクレジットカードを解約させられた場合に記録されます。

クレヒスが悪くなることで起きるデメリット

クレヒスの状態が悪くなると社会的信用を失うため、さまざまなデメリットが起きます。
まず、異動情報が掲載されているクレヒスだと、各種金融関連の審査が通りにくくなります。
その結果、新規でクレジットカードを作ろうとしても、高い確率で審査に落ちてしまうため、なかなか作ることができません。
また、クレジットカードの発行ができなくなるだけではなく、住宅ローンや銀行カードローン、消費者金融での借り入れ等もできなくなってしまいます。
さらに、今まで利用していたクレジットカードにおいても、有効期限を迎えて更新する際に審査がありますが、クレヒスが悪いと更新できず、利用停止になる場合もあります。

債務整理をすると今ある借金を整理できるというメリットがありますが、先程の項でお伝えしたとおりクレヒスが悪くなり、その結果として、このようなデメリットが起こります。
債務整理を検討している方は、事前にしっかりとデメリットについて理解しておきましょう。

債務整理によって新しいクレカが永久に作れなくなるわけではない

ここまでで、債務整理をすると新たにクレジットカードが作れなくなる一連の流れについて説明してきました。
しかし、一度債務整理を行ったからといって、その後ずっと新しいクレジットカードを作れなくなるわけではありません。
そのカギはやはり「クレヒス」にあります。
その理由について、次項以降で説明していきます。

異動情報は一定の掲載期間後削除される

異動情報は、一度掲載されるとずっと消えないわけではなく、条件を満たせば一定期間で削除されます。
つまり、一度クレヒスが悪い状態になったとしても、返済を終える等によって状況を改善して一定期間が経てば、クレヒスを良い状態に立て直すことができるのです。
異動情報の掲載期間は、異動情報の種類と信用情報機関によって異なります。
例えば、JICCでは、「債務整理」の異動情報は事故発生日から5年間記載され、5年経過すると返済途中だとしても異動情報は削除されることになっています。

クレヒスが悪い状態から脱することで、金融関連の審査が通りやすくなり、新たにクレジットカードをつくることもできるようになります。
ただし、債務整理の対象となったクレジットカード会社や貸金業者、及びその系列会社に関しては、異動情報が消えることは永久にないと言われているため、審査に通る可能性は極めて低いでしょう。

クレヒスは個人でも確認できる

債務整理後にクレジットカードを作ったり借入したりしたい場合は、あらかじめ申し込みの前にクレヒスの異動情報が削除されているかどうかを確認してみるとよいでしょう。
クレヒスは、個人でも信用情報機関に開示請求をして確認することができます。
開示請求の手続きは、パソコンやスマートフォン、窓口、郵送で行えて、手数料が500~1000円かかります。
原則として本人しか手続きができませんが、委任状があると代理人でもできるようになります。

なお、債務整理後から申し込みを行うまでの間に、クレヒスの状態が良くなっていることが望ましいです。
「クレジットカードが利用できない状況で、どうすればクレヒスが良くなるのか?」と思う方もいるのではないでしょうか?実は、携帯電話本体の分割払い等で良いクレヒスに育てることができます。
クレヒスを育てた上で、異動情報が消え欠点のない状態になったことを確かめてから申し込みを行うと、審査を通過する可能性が高くなるでしょう。

債務整理とクレヒスの関係を理解した上で状況を改善していこう

「債務整理を行うとクレジットカードが作れなくなるのか?」という問題を考えながら、債務整理がクレヒスへ与える影響やクレヒスの回復方法等について説明しました。
債務整理は借金で困っている状況から救ってくれますが、クレヒスが悪くなり、数年間は金融関連の審査が通らないというデメリットがあることも覚えておきましょう。
また、債務整理を検討中の方は、ネットで相談できるサービスもあるのでぜひ試してみてください。

おすすめ体験談