公開数
体験談サイト

最初から準備する必要はない?債務整理における着手金について

様々な事情で借金が払えずに困っている時には債務整理をすることを検討する必要があります。
債務整理を行う時には、最初に着手金を払う必要があります。
ですが、そもそも多重債務で苦しんでいる人にとっては着手金を払うことさえ難しいと感じている人もいるのではないでしょうか。
そこで、着手金の相場や負担を抑える方法について詳しく紹介します。


着手金とは初期費用のひとつ

債務整理というのは個人で行うことはなかなか難しいことです。
債務整理には弁護士や司法書士に依頼することが必要になりますが、その場合には費用が発生します。
着手金というのは初期費用の1つです。
債務整理をする為の依頼料であり、債務整理が成功してもしなくても必要になる費用のことです。
債務整理の時にかかる費用の内訳は、着手金以外にも報酬金と手数料があります。
報酬金というのは債務整理が成功した時に払う費用のことです。
万が一、債務整理が成功できなかった場合は、依頼先によっては支払う必要がないということもあります。
また、手数料というのは債務整理の手続きに関する経費のことです。
債務整理を依頼する時には、最初に費用がかかるということを理解することが必要です。

着手金の相場はどのくらい?

債務整理の時にかかる着手金の具体的な金額は、弁護士事務所や司法書士事務所によって異なります。
ですが、誰に依頼するのか、どのような依頼をするかでおおよその相場をつかむことは可能です。
事務所によっては不当に高い費用を請求してくる場合もあります。
そうなってしまったら、債務整理はおろか余分な出費が増えるだけです。
相場について前もって知っておくということは、そんな不当請求をするような事務所に引っ掛からない為にも大切なことです。
そこで、着手金の相場について詳しく説明します。

債務整理の種類によって異なる

債務整理というのは、借金(債務)を整理する為に行う法的な方法です。
債務整理を行うことによって借金が減額できたり、支払い猶予を持たせることができます。
債務整理は大きく分けて過払い金請求と任意整理、個人再生、自己破産という4つの方法があります。
どの手続きをとるかによって報酬金はもちろん着手金の相場も変わってきます。
そこで、それぞれの特徴と相場について詳しく解説します。
借金で悩んでいる時には、自分にはどの方法が合っているのかを検討することが必要です。

過払い金請求

過払い金請求というのは、本来なら支払う必要がなかったお金(過払い金)を払っていた場合に、支払い過ぎていた金額を計算して貸金業者に請求する手続きです。
既に借金を完済している場合でも過去にグレーゾーン金利で借金をしていた場合には過払い金が発生している可能性があります。
過払い金の請求における着手金の相場は、請求先1業者あたり2~4万円です。
現在借金があるという人も、過去に借金をしていたという人も、まずは自分に過払い金があるかないかを調べてみることが大切です。
気を付けなくてはいけないのは過払い金には時効があるということです。
最後に取引をした日から10年経過してしまうと過払い金請求が難しくなるので、依頼する時にはいつ借金したのかを調べてから行いましょう。

任意整理

任意整理というのは債務整理の1つで、借金の返済が困難な時に借金の減額や金利の引き直しを債務者に変わり債権者に交渉してくれます。
任意整理の手続きは、借金の取引開始時に遡って利息制限法の上限金利である15%~20%に金利を引き直し、借金を減額してから原本のみを3年程度に分割して返済するというものです。
この手続きによって月々の返済額が減ったり、余裕のある返済が可能となります。
この場合には手続きに裁判所を使うことはなく、当事者間の話し合いが基本となります。

任意整理における着手金の相場は、請求先1業者あたり2~4万円です。
任意整理は、減額した借金を3年程度で返済できる人や、継続して収入を得る見込みがある人が利用することが出来ます。
そして大切なのは、任意整理というのは交渉が成功しても借金が消えた訳ではありません。
返済していかなくてはならないことを踏まえてから依頼することが大切です。

個人再生

個人再生というのは民事再生と呼ばれることもある手続きです。
裁判所によって借金返済が困難であると認められた場合に、減額された借金を分割して3年から5年かけて返済するという方法です。
借金が5,000万円以下という人は最低返済額が最大10分の1にまで減額される可能性もあります。
この場合は自己破産とは違い、財産(住宅など)を維持したまま借金を整理することが出来ますし、資格制限もないので特定の職業に就けないという制限を受けることもありません。
個人再生における着手金の相場は20~50万円です。
個人再生は、財産を残したまま借金を返済したいという人や、自己破産により職業を継続して行うことが困難な人にはとても助かる手続きです。
ただし、弁済ができることが条件ですので、短期間のアルバイトなどで生活している場合は難しいかもしれません。

自己破産

自己破産というのは、裁判所によって支払いができないと裁判所に認められた場合、借金の返済義務が法律上において免除されるということです。
この方法を行う場合には財産となる住宅や車などは手放さなくてはなりません。
また、資格制限がある為、職業によっては続けられないという制限もあります。
自己破産の着手金の相場は20~50万円です。
この手続きを行うことによって今後の収入はすべて生活費に充てることができるようになります。

自己破産をすると、そのことが戸籍に記載されたり、就職をする時に影響するのではないかと心配する人もいますがその心配はいりません。
ただし、自己破産すると警備員や建設業、生命保険募集人などできない仕事があります。
自己破産した後で仕事を変えるという時には、どの仕事ができないのかを確認しておくことが大切です。
そして、自己破産を利用する時には過去7年以内に免責を受けたことがない人に限るとされていますが、事情によっては免責が認められることもありますので、生活に困窮した場合は法律の専門家へ相談してみることが大切です。

依頼先によって異なる

着手金や成功報酬はどちらが安いという断言は出来ませんが、相場としては弁護士よりも司法書士の方がやや低い傾向にあります。
ですが、司法書士には取り扱える業務に制限があるので利用する時には注意することが大切です。
司法書士は貸金業者1社につき借金や過払い金が140万円を超える場合は対応出来ないことや、個人再生や自己破産の場合は相談や書類作成のサポートまでしか受けられないので、申し立てや裁判でのやりとりは債務者がすべて行う必要があります。
裁判所に支払う予納金も弁護士の方が安くなる場合があるので、依頼先を選ぶ時には着手金だけではなく、総額で比較することが大切です。
そして、司法書士ができない部分は自身が行わなくてはいけないので、それらの手続きができるかどうかを考えてから弁護士に頼むか、それとも司法書士に頼むかを選択するようにしましょう。

着手金の負担をできるだけ抑える方法

債務者の多くは借金返済で苦しんでいることが多い為、初期費用である着手金の負担が大きくなればなるほど専門家への相談が難しくなります。
そこで、着手金を抑える方法を3点紹介します。

着手金が無料の事務所を探す

弁護士や司法書士に限らず、債務整理を無料としている事務所があります。
債務者は初期費用なしで債務整理の相談や依頼をすることができます。
特に、過払い金請求は事務所にとっても受任時に成果がほぼ確実に見込める為、着手金を無料としていることが多いのです。
ただし、着手金は無料でも報酬金や手数料など含めた総額でみると割高になるというケースもあるので、費用を比較する場合には注意が必要です。

分割払いに対応している事務所を探す

事務所によっては、着手金を含めた費用を分割払いで対応してくれるところもあります。
自己破産を含めた債務整理を行おうとしている人には経済的な余裕がないことも多いことがその理由です。
また、債務整理における競争が激化してきたことも、分割払いに対応してくれる事務所が増えていたことにも関係があります。
弁護士や司法書士が債務整理を開始すると、受任通知の送付により貸金業者からの督促が一時的にストップします。
その為、返済に当てていたお金を着手金に回すことができるようになるのです。
その為、実質的に着手金の準備は不要となるので、借金に困った時には相談をすることが大切です。
具体的な分割回数や支払額は事務所によって異なる為、まずは自身の経済状況を伝えたうえで相談する必要があります。

法テラスを利用する

法テラスというのは、正式名称は「日本司法支援センター」という国の機関であり、全国47都道府県に支所が設置されています。
法テラスでは弁護士や司法書士による無料相談を受けられるだけではなく、自己破産などにおける着手金や実費といった費用を法テラスが弁護士や司法書士に立て替えして、債務者は法テラスに対して分割払いで費用を返済することができるのです。
ただし、法テラスを利用することができるのは収入や資産が一定の基準以下であることが必要です。
まずは収入や資産について確認しておくことが大切です。

法テラスが利用できるかどうかは審査の結果で決まります。
審査には申し込み者および配偶者の資力を証明する書類の提出が必要です。
資力を証明するものとしては、直近2ヶ月の給与明細や直近の課税証明などの用意が必要になりますので、法テラスを利用する前に確認しておくことが大切です。
そして審査期間には3週間から1ヶ月ほどかかるので、債務に困っている時にはできるだけ早めに相談することを心がけましょう。

費用と実績の両方を確認して事務所を選ぼう

債務整理を行う時には、できるだけ着手金が安い事務所を選ぶことが大切です。
ですが、費用の安さにつられて実績に乏しい事務所を選んでしまうと、債務整理そのものがうまくいかないということにもなりかねません。
紹介した着手金の情報をベースにしながら、実績のある事務所を選ぶようにすることが、債務整理をスムーズに行うことができます。

おすすめ体験談