任意整理を検討している人の中には、それに伴う様々なデメリットを心配している人も多いのではないでしょうか。
特に大きな不安としては、クレジットカードの更新が挙げられます。
任意整理後にもしクレジットカードの更新ができなくなれば、いろいろな不便が生じるでしょう。
ここでは、任意整理後にカードの更新ができるのかどうかなどについてご説明します。
正しい知識を得て、賢く任意整理を行いましょう。
任意整理をするとクレジットカードは一切使えなくなってしまう、と思っていないでしょうか。
実は、場合によっては任意整理後でもクレジットカードの利用が可能になることがあります。
ここでは、どうすればクレジットカードを利用し続けることができるのか、その方法についてご紹介します。
任意整理は裁判所を介さず、弁護士や司法書士に頼んで債権者と交渉することによって借金を整理するものです。
自己破産や個人再生の場合は裁判所を介し、すべての借金を対象として整理を行うので、クレジットカードもその対象になり、問答無用で解約されてしまいます。
しかし任意整理の場合はクレジットカードを整理の対象から外すことが可能です。
対象外にすれば、強制解約になることは免れます。
クレジットカードを何枚も持っている人の中には、未使用もしくはほとんど使っていないカードを持っている人もいるのではないでしょうか。
債務残高のないものはそもそも任意整理の対象になりえないので、除外することができます。
任意整理の対象から外せばクレジットカードは残せますが、外すことができないケースというのも存在します。
それは、クレジットカードを利用して多額の借金をしている場合です。
たとえばあるクレジットカードを使って100万円の借金をしており、さらに別のカードを使って3万円の借金をしている場合、3万円の方は任意整理の対象から外すことができても、100万円の方は外すことができません。
この場合、3万円の借金があるクレジットカードは対象から外すことでカード自体は残せますが、100万円の方は残せなくなります。
任意整理の対象になる=強制解約、というのがクレジットカードのルールです。
債務整理のデメリットとは?クレジットカードを使い続ける方法とは
様々な事情があり、債務整理をしなくてはならなくなった時に、クレジットカードのことが気になるという人もいるでしょう。 そこで、債務整理を行うことで、どのようなデメリットがあるのか、債務整理を行った後にクレジットカードを使い続けるにはどうしたら良いのかなどについて解説します。
任意整理の対象外にしておけば、クレジットカードの更新は必ずできるのでしょうか。
実は、それでも利用できなくなるケースが存在します。
どういった場合に更新ができなくなったりクレジットカードが利用停止になったりするのか、具体的にご説明します。
任意整理を行うと、そのことが「金融事故情報」として個人信用情報機関に記録されます。
金融事故情報は「この人は金融取引でトラブルを起こした」という情報として扱われるため、個人の信用は著しく失墜します。
クレジットカードやカードローン、住宅ローンなどの審査では必ずこの個人信用情報機関のデータを照会するので、事故情報のある人が審査に通るのは非常に困難です。
クレジットカードの場合、途上与信といって更新のタイミングでなくても定期的に信用調査を行うことがあります。
また、法定途上与信といって、貸付残高が10万円以上の場合などは定期的に途上与信を行うことが法律で義務付けられています。
この途上与信のタイミングで事故情報が発覚すると、任意整理の対象外にしておいたクレジットカードも利用停止になることがあるのです。
クレジットカードには有効期限があり、期限が来ると更新ということになります。
その際には必ず更新審査が行われますが、ここでも与信審査があるため、個人信用情報機関に金融事故情報があると更新が認められず、カードが利用停止になってしまうことがあります。
その一方で、事故情報があっても更新審査に通る場合もあるのですが、その違いは返済能力の有無です。
金融事故情報があったとしても、毎月の返済をきちんと行っていれば「返済能力あり」とみなされ、更新が認められる可能性があります。
任意整理を行っていても、例えばAというカードで延滞がないのであれば、A社にとっては優良顧客となるからです。
任意整理を行った結果、借金がゼロになり過払い金のみとなるケースがあります。
過払い金とは、払いすぎた利息のことです。
本来、貸金業者がお金を貸す場合、利息制限法に基づいて利息は最大18%(元金により異なる)としなくてはなりませんが、かつては出資法で定める29.2%までは刑事罰の対象となりませんでした。
この出資法と利息制限法の利息の上限の差を「グレーゾーン金利」といいますが、現在では法律が改正されグレーゾーン金利は認められていないため、この分の利息を払った人は過払い金として取り戻すことができます。
取り戻した過払い金を充当して借金がゼロになった場合、金融庁の定めにより個人信用情報機関に金融事故情報が記載されることはありません。
したがって、クレジットカードも利用停止になることはないわけです。
任意整理の場合、整理対象から外したクレジットカードは残せる可能性があります。
しかし、自己破産や個人再生の場合はそういったことができません。
これらは任意整理とは仕組みが大きく違うからです。
自己破産や個人再生は、裁判所の介入を受けて手続きをするものです。
その際にはすべての借金を裁判所に公開して借金を減免又は免除します。
どの借入先からいくら借りているかということもすべて明らかになり、隠し立てをすることはできません。
返済もすべての借入先に平等に行う「債権者平等の原則」があり、一部のクレジットカードを対象外とするようなことは不可能です。
したがって、債務残高のあるすべてのクレジットカードは強制的に解約となります。
債務残高のないカードも、いずれは与信審査で解約となることがほとんどです。
任意整理のデメリットはクレジットカードが使えない?使い続ける方法と新しく作るには
借金が原因で生活が著しく圧迫されている場合、任意整理で返済の負担を軽減するというのが手段のひとつとして挙げられます。 しかし任意整理後はクレジットカードが使えなくなるというイメージが強い人も多いでしょう。任意整理後もクレジットカードは使えるのか、新規発行は可能なのかなどをご紹介。
このように、任意整理を行うとクレジットカードは更新不能・利用不可となるケースが非常に多いです。
それでもなんとかしてクレジットカードの利用を続けたいという場合はどうすればよいのでしょうか。
その具体策や注意点についてご説明します。
任意整理をするとクレジットカードが作れなくなるので、その前にカードを作ってしまおうと考える人もいるかもしれません。
しかし、クレジットカードを作る際には与信審査があります。
個人信用情報機関に照会した結果、金融事故情報があって任意整理を行っていることが知られたり、あるいは多重債務がある、多額の借入がある等の事実が明らかになると、審査に通ることはまずありません。
また、もう一つ注意しなくてはならない点があります。
それは、「クレジットカードを申し込んだ」という情報も個人信用情報機関に残るということです。
任意整理前にもかかわらずクレジットカードを申し込んだという事実が判明すれば、現在の借入先からの信用を失い、和解が成立しなくなる可能性もあります。
任意整理前にクレジットカードを作るのはやめておきましょう。
任意整理の対象となったクレジットカードのショッピング枠でローンを組んで買い物をしていた場合、支払いが終了していないと商品が引き揚げられてしまうことがあります。
特に高額な家具や家電など換金性の高いものは、引き揚げられる可能性が高いです。
これを回避するためには、引き揚げられたくないものを購入しているクレジットカードを任意整理の対象外にする、という方法があります。
ただし同じカードでショッピングとキャッシングを行っている場合、ショッピングを除外してキャッシングのみを対象とするということはできないので注意が必要です。
債務整理で借金苦を軽減!クレジットカードへの影響とデメリット対策
債務整理をすることによるクレジットカードへの影響を知りたいですよね。 新規でカードを発行するのは容易ではありません。しかし、やり方次第では債務整理後であってもクレジットカードを使うことはできます。その方法や相談窓口なども紹介。
様々な工夫や注意をしても結局クレジットカードの更新はできなかった、もちろん新しいクレジットカードを作ることもできない…こうなると、もはや現金以外に決済手段がなくなってしまうのでしょうか。
実は、まだ取るべき手段はあります。
ここでは、クレジットカードの更新ができない場合に行うことのできる対処法についてご紹介します。
信用情報は一度傷ついたら一生回復しない、というものではありません。
任意整理の場合、金融事故情報が保存されるのは大体5年で、それを過ぎればいわゆる「ブラックリスト」からは外されます。
したがって、焦らずに5年間待つのが最も得策といえるでしょう。
事故情報の保存期間が終わったかどうかは、個人信用情報機関に情報開示請求することで確認できます。
クレジットカードが作れるようになるまではデビットカードを利用するというのも一つの方法です。
デビットカードは、買い物をすると連携した口座から即時に代金が引き落とされるものです。
作成に当たってはほとんどの場合審査がないので、事故情報がある人でも作れます。
口座に残高がある分までしか使えないので、無駄遣いの心配もありません。
任意整理によって金融事故情報が記録されるのは、任意整理を行った本人のみで家族には影響がありません。
そこで、配偶者など家族の協力を得て家族カードを作るという方法があります。
家族に債務整理等の過去がなく信用があること、また引き落としを家族の口座から行うことにすれば問題なく作ることができます。
債務整理しても利用できる?家族カードの審査におけるポイントについて
債務整理を行った場合には、クレジットカードの利用はできなくなります。新規作成も不可能です。しかし、契約者と利用者が異なる家族カードの場合には、どのような影響があるのでしょうか。家族カードとはどのようなものか、そして債務整理が家族カードに与える影響をこの記事で説明していきます。
任意整理後にクレジットカードの更新ができるかどうかは、カード会社の審査にかかっています。
更新できない可能性も少なくはないため、過剰に期待することなく、できなかったときの対策を考えておく必要があります。
デビットカードや家族カードといった方法もありますが、あくまで任意整理後であることを踏まえ、計画的な行動を心がけましょう。
任意整理、失敗することもあるの?
任意整理とは簡単に言うと利息をカットし、残りの元金を3~5年で分割返済していくという返済方法です。根拠となる法律はなく、弁護士や司法書士が様々な事例を積み上げることで今の形になったというものです。 当事者間での話し合いで行われるもののため、場合によっては失敗してしまうこともあります。