借入金が多くなったときは、債務整理をすると返済が楽になる可能性があります。
しかし、債務整理というと難しいイメージがあり、どれぐらいの費用や期間がかかるかわからなくて不安になる人も多いです。
債務整理は実際に依頼する前に相談することができるので、不安がある人は話を聞いてもらうとよいでしょう。
そこで、この記事では債務整理について調べている人に向けて、相談方法や相談内容、準備しておくもの、相談の際の注意点について紹介します。
一口に債務整理といっても任意整理、特定調停、個人再生、自己破産の4つがあります。
4つの債務整理のなかで裁判所の手続きを必要とせず、比較的手軽にできるのが任意整理です。
任意整理の流れとしては、まず弁護士や司法書士などの専門家に自分が抱えている問題を相談することから始まります。
電話やメールでの相談を受け付けている事務所もありますが、実際に依頼するときは面談を行うのが一般的です。
面談した結果、任意整理を依頼することにしたら、専門家の事務所が受任通知と呼ばれる書類を債権者に宛てて送付します。
受任通知とは、専門家が代理人として債務整理を行うことになった事実を債権者へ通知するための書類です。
受任通知が債権者に届くと、基本的にすべての通知は代理人を通して行われることになるので、督促なども止まります。
その後、利息制限法に基づいて適正な利息を計算する引き直し計算を実行し、具体的な返済計画を立てます。
交渉の結果、債権者から返済計画についての合意が得られれば、計画に基づいて返済が開始される流れです。
つまり、任意整理を始めるための第一歩は、法律事務所に電話やメールで相談することから始まるのです。
債務整理を始めるためには、まずは法律事務所に相談しなければいけません。
しかし、相談するにあたっては、ある程度自分の話したい内容を整理しておかないとスムーズに話が進まないでしょう。
そこで、この段落では債務整理で相談する主な内容について紹介します。
よく理解してから、相談を申し込むようにしましょう。
専門家にまず相談しておきたいのは、「債務整理をするべきかどうか」です。
債務整理をすると借入金が減額されるので、その後の返済は楽になります。
しかし、覚えておきたいのは債務整理にもデメリットはあるということです。
債務整理のデメリットとしては「ブラックリストに登録される」ことが挙げられます。
ブラックリストに登録されてしまうと、最低でも5年間はローンを組むことができません。
そのため、5年以内に住宅ローンや自動車ローンを組む予定がある場合は、債務整理をしないほうがよいケースもあるでしょう。
債務整理にはメリットだけでなくデメリットもありますが、弁護士や司法書士などへ相談すればその点をふまえたうえで最善の提案をしてくれるはずです。
相談するときは自分の将来的な計画も含めて相談し、債務整理をするべきかどうかを判断してもらうとよいでしょう。
債務整理には「任意整理」だけでなく、「特定調停」「個人再生」「自己破産」という手続き方法もあります。
一般的に債務整理で最も多いのは任意整理で、引き直し計算を行って適正な利息を算出したあとで過払い金を清算し、見直した返済計画に沿って返済していく方法です。
特定調停は裁判所が債権者との仲裁を行ってくれる制度で、基本的には任意整理と同様に借金の減額を目指します。
ただし、裁判所で任命される調停委員は債務整理の専門家ではない場合もあり、不利な条件で和解を迫られるリスクも高いです。
個人再生は自宅を残しつつ債務整理を行いたい場合に有効で、任意整理よりも大きい金額を減額できる可能性があります。
デメリットは自己破産のように借金がゼロになるわけではない点です。
自己破産は一定の財産を処分しても支払いきれない借金がある場合は、免責が適用される債務整理方法です。
ただし、生活に必要な最低限度以外の財産は処分しなければいけないので、持ち家の場合は売却しなければいけない場合もあります。
このように、債務整理の方法にはそれぞれにメリット・デメリットがありますが、素人がそのすべてを理解して判断するのは難しいのが現実です。
弁護士や司法書士のような専門家に相談することで、適切な債務整理方法を提示してもらえるでしょう。
債務整理の相談では専門家に自分がおかれている状況を的確に説明し、どの方法を選ぶのがいいのかを正確に判断してもらうことが大切です。
そのためには、状況を客観的に判断できるだけの資料を用意しておかなければいけません。
また、スムーズな依頼につなげるために用意しておいたほうがよい資料もあるので、まとめて紹介します。
債務整理をするかどうかについては、まずどれだけの借金があるかを専門家に知ってもらうことが重要です。
借金の金額を客観的に判断してもらうためには、借入先の名称や借入残高が記載されている書類や利用明細などを用意するとよいでしょう。
それらの書類をなくしてしまった場合はメモなどでも問題ありませんが、通帳の写しなどで客観的に判断できる材料があったほうがよいです。
正確な金額がわからないと、いくら専門家といえども正確な判断ができない恐れがあるので気を付けましょう。
どうしても金額がわからない場合は、最低でも借入先の会社の名前は伝えられる準備をしておく必要があります。
借入先の会社と借入した人の住所・氏名がわかれば、問い合わせると借入金額がわかるケースが多いからです。
また、借入先や借入残高のほかに、所有財産を一覧にして持参するとわかりやすく、スムーズな相談につながります。
債務整理の相談の際は、借金の金額がわかる書類だけでなく、収入がわかる書類も準備しておいたほうがよいです。
なぜなら、債務整理をするかどうかの判断は収入と借金のバランスが大きな影響を与えるからです。
仮に借金の金額が大きくても、収入もそれなりにあれば無理に債務整理を行う必要はない場合もあります。
また、債務整理が必要な場合であっても債務整理後に毎回どの程度の返済が可能かを判断する材料にもなります。
専門家により正確な判断をしてもらいたい人は、給与明細書や所得証明書などの収入がわかる書類を持参しましょう。
債務整理を依頼するときは、専門家との間に委任契約を結ぶことになります。
委任契約を結ぶことでさまざまな手続きを代行してもらえるからです。
委任契約を結ぶときに必要になるものは、「印鑑(認印)」と「本人確認書類」です。
免許証や健康保険証などを忘れずに持っていきましょう。
委任契約は後日に結んでも問題ありませんが、その場で依頼すれば何度も事務所に足を運ぶ手間はかかりません。
また、早く契約すればそれだけ早く債務整理は進みます。
専門家に依頼すると督促が止まるというメリットもあるので、少しでも早く債務整理を行いたい人は印鑑や本人確認書類を持参して相談しましょう。
債務整理を専門家に依頼した場合、実際に報酬の支払いが発生するのは債務整理に成功した時点、つまり成功報酬制の料金体系をとっている事務所が多いです。
そのため、多くの法律事務所では債務整理の相談自体は無料で行っています。
しかし、事務所のなかには「初回相談無料」となっているケースもあるので注意しましょう。
初めて債務整理をする人のなかには、不安のあまり何度も相談をしたいというケースもあるでしょうが、料金がかかるかどうかを確認してから申し込んだほうが無難です。
債務整理の手続きをスムーズに進めるためにも相談内容を事前に整理し、的確に伝える必要があります。
限られた時間で相談するためには、事前準備が重要です。
借入先の情報や借入残高、現在の収入や資産など、専門家が客観的に判断できるような資料をまとめて準備していきましょう。
初めて債務整理を行う人は、どの法律事務所に依頼したらよいかわからないという人もいるでしょう。
自分に合った法律事務所を選ぶには、無料相談を利用してみるとよいです。
そこで、無料相談で良い法律事務所を見分けるためのチェックポイントについて紹介します。
債務整理を依頼するときは、大前提として「信頼できる専門家」であることが重要です。
債務整理はかなり深い部分まで個人情報を依頼する専門家に伝えなければ話が進みません。
弁護士や司法書士が信頼できる人物であれば、安心して債務整理を依頼できるでしょう。
また、一口に弁護士や司法書士といっても扱う問題はさまざまです。
刑事事件に強い弁護士や相続問題に強い司法書士など、それぞれに専門分野があります。
債務整理は業者との交渉力が重要なので、ある程度のノウハウがある法律事務所でないと、有利な条件が勝ち取れない可能性があります。
債務整理の実績が多く、相談の際に的確なアドバイスをしてくれる専門家は債務整理に慣れている可能性が高いので、そのような事務所に依頼しましょう。
さらに、コミュニケーションがスムーズにできる専門家を選ぶことも重要です。
委任契約を結ぶと基本的には専門家がすべての手続きを代行して行ってくれます。
しかし、依頼に対してまじめに取り組んでくれなかったり、コミュニケーションがうまくいかなかったりする専門家だと依頼人のストレスが溜まってしまうでしょう。
依頼後のやりとりがスムーズにできるか、依頼に対して真摯に向き合ってくれるか、相性は良いかどうかなどについてもチェックしておくとよいです。
相談時には報酬や支払い方法を書面で確認できるかどうかも重要です。
報酬は債務整理が成功したときに発生する成功報酬を採用している事務所が多いですが、そうでない場合もあります。
例えば、依頼をした時点で発生する基本料金を請求してくる事務所もあるのです。
料金体系は事務所によってそれぞれ異なるので、後からのトラブルを避けるためにも口頭ではなく、書面で確認することが重要です。
残念ながら、法律事務所のなかには悪徳業者も存在するので、書面で確認できない事務所は避けたほうが無難でしょう。
また、返済が苦しくて債務整理をしたい人は現金の余裕がない場合が多いです。
債務整理を専門家に依頼すると費用はかかりますが、分割にしたり成功報酬で後払いにできたりします。
こちらの資産や収入状況を相談して、臨機応変に対応してくれる事務所を選びましょう。
債務整理については無料相談を実施している法律事務所はたくさんあります。
専門家に依頼すると費用はかかりますが、自分で債務整理するよりも多く減額できる可能性は高いです。
結果的に得になるケースは多いので、債務整理で悩んだらまずは無料相談へ申し込んでみましょう。
無料相談を申し込むときは、借入金の残高や収入を客観的に説明できる資料を用意しておくとスムーズです。
自分に合った事務所を見つけて債務整理を着実に進めるためにも、無料相談を活用しましょう。