プロミスに過バライ金請求を行う場合、基本的に他の消費者金融に対して過バライ金請求を行う場合と大きな違いはありません。
ただ、プロミスはいくつかの消費者金融と合併したり、取引をしているので、債務状況を良く把握しておかなければ過バライ金請求におけるデメリットを被ってしまう可能性があります。
そこでこの記事では、プロミスの過バライ金請求におけるデメリットと注意点を説明します。
プロミスとは、三井住友グループに属するSMBCコンシューマーファイナンス株式会社が取り扱っている商品のことを言い、同社は銀行系消費者金融にあたります。
かつてプロミスはプロミス株式会社として貸金業を営んでいましたが、2012年に三井住友銀行グループの完全子会社となり、現在の社名になりました。
通常であればSMBCコンシューマーファイナンスに対して過バライ金請求を行うところですが、便宜上本記事ではプロミスへ過バライ金請求を行うものとして説明を進めていきます。
プロミスに過払金請求はできる?2007年以前の借入は返還の可能性大!
プロミスを利用したことのある方で、自分は過払金請求の対象になっているのかどうか気になっているという方もいるのではないでしょうか。 どんな方が対象になるのか、また実際に過払金請求はどのような手順で行われるのか、どうすれば最大限返金されるのかご紹介します。
プロミスには他の消費者金融にはない特徴があります。
そのため、特徴を理解しておかなければ思わぬデメリットを被る可能性があるので注意したいところでしょう。
それでは、プロミスの過バライ金請求の特徴を2点説明します。
過バライ金請求におけるプロミスの対応は、やはり大手ということもあって比較的良心的だと言えます。
実際に裁判に持ち込めば満額を取り戻せることも多いです。
話し合いによる任意交渉の場合、返還までの期間は約2~4カ月、返還率は約70~90%程度と言われています。
また、裁判を起こした場合、返還までの期間は約4~6カ月、返還率は約80~100%です。
この場合、請求を行うのに時間がかかってしまいますが、過バライ金に付いた利息も追加して請求できることもある。
プロミスは、過去にいくつかの消費者金融と合併などを行っています。
まず、2010年にポケットバンクを取り扱う三洋信販株式会社を、2011年にはアットローン株式会社を吸収合併しています。
それに加え、株式会社クラヴィスからは契約切り替えや債権譲渡が発生しているケースもあります。
したがって、こうした消費者金融と過去に取引があった人、もしくは現在も返済中の人は、プロミスに対して過バライ金請求する際に影響があるので留意しておきたいところでしょう。
過払い金が発生する仕組み
2010年頃まで、貸金業者は出資法の上限金利である29.2%を上限金利として貸付を行っていました。利息制限法では、利息の上限は20%と定められています。利息制限法を超える金利で利息を受け取っていたため、出資法と利息制限法の上限金利の差が、過バライ金として発生しています。
プロミスへ過バライ金請求できる条件は、プロミス、ポケットバンク、クラヴィスで過去にお金を借りていた人です。
過バライ金とは、2010年6月の貸金業法改正前に消費者金融などからお金を借り、必要以上に払った利息のことを言います。
元々消費者金融は利息制限法という法律によって、20%以上の利息を設定することができませんでした。
しかし、契約書・受領書を発行し、債務者が出資法の金利を適用することに同意をすれば貸金業法におけるみなし弁済という制度が適用され、出資法という法律に基づき、最大29.2%まで金利を引き上げることができました。
この抜け道を悪用した消費者金融は多く、プロミスも過去に最大で約25.5%の違法な金利で貸付を行っていました。
しかし、2010年6月に貸金業法が改正され、みなし弁済の制度は廃止されました。
したがって、2010年6月以前にプロミスを利用した人が過バライ金請求の対象となります。
特に薄いグレーの「PALカード」、金色の「PROMISEカード」を利用していた人は、過バライ金が発生している可能性が高いので調べてみると良いでしょう。
ポケットバンクもプロミスと同様に違法な金利で貸付を行っていました。
しかし、ポケットバンクは先ほど解説した通りプロミスと合併しているので、現在はプロミスに対して請求を行うこととなります。
また、クラヴィスも過バライ金が発生している可能性があり、プロミスに対して請求できます。
しかしこの場合は、プロミスに契約切り替えされたか、債権譲渡されたかによって対応が異なるので注意が必要です。
そして、もう1つのプロミスと合併した企業であるアットローンは法定金利を超えて貸付を行っていませんでした。
そのため、アットローンを利用していた場合、過バライ金は発生しません。
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プロミスへ過バライ金を請求するデメリットは、既に借金を完済しているか、もしくは現在も返済中かで異なります。
それではそれぞれのパターンを見ていきましょう。
完済している場合、基本的に過バライ金請求を行うデメリットは発生しません。
あえてデメリットを挙げるとなると、プロミスの企業内ブラックリストに掲載され、今後プロミスから借入ができなくなるという点程度でしょう。
現在持っているプロミスのカードも自動的に解約となってしまいます。
しかし、別の貸金業者からは借入をすることは可能です。
したがって、完済している場合だと過バライ金請求を行っても大きなデメリットとは発生しないと言えるでしょう。
過バライ金請求によって現在の借金を完済できた場合、今後プロミスを利用できなくなる以外のデメリットはありません。
しかし、過バライ金よりも残っている借金のほうが多い場合は債務整理扱いになります。
この場合、ブラックリストに掲載されてしまいます。
ブラックリストとは個人信用情報機関の個人信用情報における金融事故情報のことを言い、ブラックリストに掲載されてしまうと、約5年間はプロミスを含めた貸金業者の利用ができず、キャッシングやクレジットカード、ローンの審査に通らなくなります。
そのため、現在も返済中で過バライ金請求を行う場合は過バライ金の計算を入念に行い、しっかり過バライ金請求の対策を行ったうえで実行に移すべきです。
プロミスからの借金を完済していれば、基本的にデメリットは発生しなません。
しかし、プロミスと関係する消費者金融や銀行からの借入状況によっては、思わぬデメリットを被ることがあります。
そこで、プロミスへの過バライ金請求の注意点を4パターンに分けて説明します。
現在もポケットバンクやアットローンに返済中の場合のデメリットはプロミスから借りたお金を返済している場合と同じ扱いです。
発生している過バライ金よりも債務残高のほうが多ければ、債務整理となりブラックリストに掲載されるので注意しましょう。
しかし、先ほど解説した通り、ポケットバンクから融資を受けている場合は過バライ金が発生している可能性もあります。
過バライ金が債務残高を上回るかどうかは総合的に調査を行う必要があるので、債務整理を得意とする弁護士などに相談しましょう。
クラヴィスは過去に何度も名称変更を行っています。
そのため、該当する借入がある場合は注意しましょう。
過去の主な名称はクオークローン、タンポート、リッチ、ぷらっとなどです。
クラヴィスに限らず、運営会社がわからない消費者金融からお金を借りている場合は必ず運営母体を確認しましょう。
・クラヴィスから借入し、プロミスへ契約切替、及び債権譲渡を行っている場合、過バライ金請求を行ってもプロミスが支払うべきかどうかが裁判の争点となりやすいです。
このようにクラヴィスの過バライ金請求は複雑であり、個々の状況によって変わってくるため、専門家へ相談するのが望ましいと言えます。
プロミスを取り扱うSMBCコンシューマーファイナンスは三井住友銀行の保証会社です。
そのため、三井住友銀行カードローンに債務残高があり、プロミスの過バライ金と相殺できずに債務が残った場合はブラックリストに掲載される可能性があります。
また、プロミスの過バライ金請求時に三井住友銀行カードローンの返済を延滞もしくは遅延すると、プロミスとの交渉に影響が出る場合もあるので注意が必要です。
プロミスで過バライ金請求を行っても三井住友銀行住宅ローンに申し込む際に影響はありません。
既にローンを返済中の場合はもちろん、新たにローンを組む場合も過バライ金請求によって審査に落ちることはないので安心しましょう。
住宅ローンはカードローンとは別契約にあたります。
したがって、住宅ローンの審査では年齢や年収、借入状況、健康状態などの情報を総合的に判断したうえで融資をするかどうかを決めるので、住宅ローンに申し込むことを考えている人はローンへの影響を気にせずに過バライ金請求を行いましょう。
ただし、ブラックリストへ掲載された場合は新たなローンの審査には通らなくなるので注意が必要です。
過払い金請求におけるリスクとは?
過払い金請求は専門家に任せておけば、安心して取り戻すことができるだろうと考える人も多いかもしれませんが、実はそこにはいくつかのリスクも隠れています。取り戻せるはずのお金を取り戻せなかったり、取り戻しても手数料等で相殺されてしまったり、そのようなことのないよう詳しくご紹介します。
最後に、プロミスの過バライ金請求で押さえておきたいポイントを見てみましょう。
このポイントに関しては他の過バライ金請求におけるポイントと同じですが、プロミスに関連した情報も合わせて紹介します。
過バライ金請求には時効があります。
最後に取引をした日から10年間と定められており、特に完済している場合はいつ完済したのか覚えていないことも多いです。
また、ポケットバンクやクラヴィスにも過バライ金が発生している場合、返済状況の確認は複雑になってしまいます。
過バライ金や時効の状況を無料で確認してくれる事務所もあるので、少しでも気になる場合は早めに相談しておきましょう。
過バライ金請求では、取引履歴の取り寄せ、過バライ金の引き直し計算、過バライ金請求書の送付、プロミスとの交渉をします。
また、交渉が決裂した場合は裁判を行うこととなります。
しかし、個人で交渉を進める場合、手続きを自分で行う必要があり、多大な労力と時間がかかってしまいます。
しかも、相手は大企業なので、お金のトラブルに関する専門家が対応を行うことで、返還額が減る可能性が高いです。
そこで弁護士や司法書士に依頼すれば、手続きをすべて任せられます。
個人でプロミスと連絡を取ることはないため、家族に知られることもありません。
それに加え、多くの過バライ金を取り戻せる可能性が高いです。
また、現在も返済中の場合は弁護士や司法書士へ依頼すると督促が一時的にストップします。
そのため、法の専門家に依頼をすれば借金の督促から解放され、精神的な負担も軽減できるでしょう。
プロミスは銀行系消費者金融ということもあり、倒産のリスクは低いです。
しかし、まったくリスクがないとも言い切れません。
倒産しなくても、経営状態が悪化すると交渉が難航する可能性があります。
したがって早めに請求手続きを行いましょう。
過払い金はいくら出る? 自分で計算する方法と注意ポイント
払い過ぎたむかしの借金、過払い金として戻ってくるのはどれくらい? その額を算定するための「引き直し計算」は、ご自身でも簡単にできます。こちらでは、過払い金の計算を自分でする方法とその際の注意ポイント、計算の流れ、また事務所に任せる場合の注意点もあわせてご説明します。
既に借金を完済している場合、プロミスの過バライ金請求に大きなデメリットはありません。
一方、関連する消費者金融や銀行との取引がある場合、実際にデメリットが発生するかどうかを確認するためには調査が必須になります。
したがって、過バライ金請求を考えている場合は紹介した内容を参考に、専門家への相談も視野に入れて準備を進めてください。
弁護士と司法書士。過払い金請求の依頼で違いはある?
弁護士・司法書士どちらを選択してよいかは、資格の違いではなく“中身”を見ることが何より大切です。事務所の報酬体系やサービス力、交渉力がどうであるか中身のリサーチをしてこそ真に頼れるパートナーと巡り会えます。今回は、弁護士と司法書士についてさまざまな角度から比較していきます。