払い過ぎた返済金を取り戻すための過払い金請求。
「どれくらい戻ってくるのか?」が重要な一方、「そのためにいくら支払うの?」にもしっかり目を向けないと、払わなくて済む費用まで払ってしまうことになります。
「回収額は高く、費用は安く」が、過払い金請求の理想。
そのためには、過払い金の料金体系を知るとともに、費用が高い事務所・安い事務所の見分けをしっかりつけることが大切です。
こちらでは、過払い金費用の詳細についてご説明します。
過払い金は、法定利息以上の金額を支払い、かつ平成19年までに金融業者と取引歴のある方が対象。
返済が終わって10年で時効を迎えますので、はやめに動いてあなたのお金を取り戻しましょう。
さまざまな事務所の料金ページをみると、「相談料」「着手金」「基本報酬」「成功報酬」などの用語が載っています。
このうち、過払い金請求の費用で重要なのは、「基本報酬」と「成功報酬」です。
なぜなら、多くの事務所は完済済みの過払い金請求の場合、相談料や着手金を無料としているため、それほど考慮しなくても済むのです。
基本報酬とは、取引履歴の取り寄せや回収額の計算など、もろもろの事務作業に要した手間賃として請求される料金です。
基本報酬は、司法書士会のルールで「上限5万円」と決まっています。
弁護士会のルールでは着手金等の上限は具体的な金額は明示していません(解決報酬は2万円が上限とされています。)
請求は1社単位となります。
取引業者が2社3社あれば、その額は「10万円」「15万円」と膨らむ可能性があります。
一方、成功報酬とは、成果への対価として支払う報酬。
「過払い金が100万円戻ってきました。
このうち、成功報酬として20%の20万円を頂戴します」というもので、回収額から一部を差し引いて支払います。
基本報酬も成功報酬も、「過払い金が戻ってきて」はじめて支払う仕組みです。
仮に戻ってこなかったら、依頼者側は一円も支払う必要はありません。
過払い金が100万円で、基本報酬5万円(1社)・成功報酬20%のケースであれば、事務所へ支払う手数料は「5万円+20万円=25万円」。
よって手元に残る金額は、75万円となります。
基本報酬は、請求する事務所としない事務所に分かれます。
つまり、依頼先の事務所が異なるだけで、5万円の差が生まれてしまうのです。
コマーシャルを積極的に打って全国展開する大手ほど、基本報酬を請求する傾向にあります。
取り戻した金額からどれくらい引かれるのかにも注視して、事務所を選ぶことが重要です。
過払い金が発生する仕組み
2010年頃まで、貸金業者は出資法の上限金利である29.2%を上限金利として貸付を行っていました。利息制限法では、利息の上限は20%と定められています。利息制限法を超える金利で利息を受け取っていたため、出資法と利息制限法の上限金利の差が、過バライ金として発生しています。
分かっているようでよく分からない、過払い金料金の概要。
以下、簡潔にご説明します。
成功・不成功に関係なく負担する必要がある着手金は、無料とする事務所が多い傾向です。
一部の弁護士事務所などでは、着手金1万円を請求するところもあるようですが、主流ではありません。
また、過払い金はどれくらい戻ってくるのかの相談料(※「診断料」「調査料」とも)も、多くは無料です。
基本、過払い金請求の代理を正式に依頼するのは、相談を受けて過払い金がどれくらい戻ってくるのかおよその目星をつけてから、です。
調査の結果、過払い金の対象外、あるいはほとんど戻ってこないと分かれば、依頼する必要はありません。
そこまでは多くの代理事務所が時間と手間を負担してくれるのです。
基本報酬とは別に請求される手数料が、オプション費用です。
振込代行手数料やもろもろの調査費用、計算代行の費用など、名目は事務所によって異なります。
司法書士会の指針では、事務手数料はすべて基本報酬に含むこととされているため、別途請求は本来許されません。
▶参考:(日本司法書士会連合会 債務整理事件における報酬に関する指針の第9条(その他の報酬の規制)
さまざまなオプション費用が上乗せされれば、当然負担額は増大してしまいます。
不要な費用を請求する事務所は避けたほうが無難です。
まだ完済が済んでいない債務者が過払い金請求すると、引き直した分の債務が相殺され、残りの払い過ぎた分が戻ってきます。
その相殺分のうち10%を報酬として支払うのが減額報酬です(減額報酬が10%の場合)。
すでに完済を終えている方は対象でないため、気にする必要はないでしょう。
なお、減額報酬に対するスタンスも、事務所によって異なります。
基本報酬同様、「必要ないのでは?」との声も聞かれる料金です。
過払い金請求は、弁護士に加えて、法務大臣の認定を受けた認定司法書士にも依頼できます。
ただし、司法書士が担当できるのは過払い金請求金額(元金)140万円以下の案件まで。
請求金額である元金140万円を超える金額の案件は、弁護士に相談してください。
基本的に、弁護士も司法書士も基本報酬や成功報酬の額に大きな違いはみられません。
弁護士・司法書士の違いによって依頼者の間で不公平感がないよう、原則同じ基準やルールに沿ってサービスが提供されています。
傾向として、140万円以下の比較的小規模な案件を司法書士が依頼するケースが目立ちます。
弁護士と司法書士。過払い金請求の依頼で違いはある?
弁護士・司法書士どちらを選択してよいかは、資格の違いではなく“中身”を見ることが何より大切です。事務所の報酬体系やサービス力、交渉力がどうであるか中身のリサーチをしてこそ真に頼れるパートナーと巡り会えます。今回は、弁護士と司法書士についてさまざまな角度から比較していきます。
過払い金の成功報酬については、大手から小規模の事務所まで、「回収額の20%」とするところが目立ちます。
成功報酬の定率は、事務所ごとに設定されています。
主流は20%、低いところで15%に設定するところもあります。
弁護士・司法書士事務所ともに、成功報酬は15%~20%程度とみてよいでしょう。
回収額の規模に関係なく、成功報酬は定率です。
依頼案件の内容や業者数、交渉の難易度などによって変動するものではありません。
ただし、交渉がもつれて裁判にまで発展すれば、成功報酬は5%まで引き上げてよいことになっています。
裁判まで含めると、成功報酬の相場は「20%~25%」と考えてよいでしょう。
なお、裁判には印紙代などの実費が発生します。
過払い金が10万円くらいなら1,000円、100万円であれば1万円と郵便切手代(裁判所により異なりますが5000円から7000円程度)の負担です。
多くの場合、事務所が立て替え、過払い金が戻った段階で報酬と合わせて支払うことになるでしょう。
中には、裁判費用まで負担するところもあります。
回収額に占める成功報酬の割合は、裁判までいって25%、すんなり解決すれば20%。
高くてこれくらいで、この点で料金競争などの雰囲気はみられません。
やはり、ポイントとなるのが基本報酬の有無。
成功報酬20%のみと、基本報酬あり(5万円)との違いを比較してみましょう。
基本報酬に対する事務所スタンスの違いで、依頼者の負担は大きく変わります。
大手は安心できるかもしれませんが、それ相応の負担は覚悟しなければなりません。
過バライ金の請求にかかる料金はいくら?依頼費用や相談費用の相場を紹介 | 司法書士法人相澤法務事務所
過バライ金の返還請求を希望する場合には、専門家に依頼することになるため依頼料が気になります。相談するだけでも費用がかかることがあるので、依頼費用を支払えるか不安に感じている人もいます。依頼費用や相談費用の相場など過バライ金の返還請求にかかる費用の支払い方について詳しく解説します。
過払い金の回収に関しては、着手金も相談料も無料というのが、業界のスタンダード。
そのため、「最初に手付金払うんじゃないの?」「着手金無料といいながら、診断料は取られるんじゃ?」などの心配はほとんど無用かと思われます。
代理事務所にとって、着手金0にしてまでサービスする理由は何でしょうか? それは、着手金や相談料を取らずとも、過払い金の回収業務で得た報酬で十分還元できるからです。
100万円の例だと、成功報酬20%で20万円。
基本報酬が加われば25万円まで受け取れます。
そのうえ着手金まで請求されたら、依頼者は「一体いくら取られるんだ」となってしまいます。
依頼者からすれば、過払い金は戻ってしかるべきお金。
手数料を取られるうえ、結果に関係なくお金を支払うことに納得いかない、と考える人がいてもおかしくありません。
反対に、回収できたときだけ手数料を支払う仕組みであれば、安心して依頼もできるというものです。
「着手金無料でいいなんて、親切な事務所だな」と思うのは早計です。
弁護士も司法書士も、メリットがあるから着手金無料を打ち出しているとお考えください。
重要なのは、あなたの要望に応えてくれるだけのサービス力があるかどうかをみること。
分かりやすくいえば、きちんと過払い金を回収できるかどうかということです。
業者対応の仕方や交渉力、回収に要する期間などは、事務所によって千差万別。
満額100万円戻って来るところが、70万円しか戻ってこなかった…。
「でも着手金は無料だからよかった」とはならないでしょう。
着手金を取るか取らないかは判断材料のひとつに過ぎません。
さまざまな情報を総合し、トータルで検討してください。
また、最初の負担がなくても、基本報酬やその他事務手数料、オプション費用などを請求する事務所もあります。
名目は違っても、料金を徴収されてしまえば結果は同じです。
料金体系は、ホームページのチェックはもちろん、電話で詳細説明を受けることが大切です。
過払い金無料簡易診断のメリットとデメリットになるトラブル
電話やWEBだけで過払い金がどのぐらい発生しているかを診断してくれる事務所があります。CMでも5分ほどのお電話で無料診断しますと流れていますし、WEBでも1分で診断します等書いているサイトが多々あり利用者は多いようです。しかしトラブルも多いようですので以下を参考にしてください。
「手数料の安さ」を重視するなら、理想の順に、
成功報酬のみ>基本報酬あり>着手金もあり>調査料まであり>オプション費用まで取られる
ということになります。
基本報酬を取られるか取られないかで、手元に残る金額は大きく異なります。
基本報酬は、1社あたり上限5万円。
取引相手が多ければ多いほど、負担も増大します。
人間の心理として、回収額が100万円もあれば5万円程度の金額は誤差の範囲、と思いがち。
満額取れればよいかもしれませんが、80万円で妥協しなければならないケースも出てくるかもしれません。
回収額が低いほど、基本報酬の負担は大きなダメージとなるのです。
仮に回収額が10万円・成功報酬20%の場合、「5万円+2万円」が報酬額となり、手元には3万円しか残りません。
手続きが完了してから「やっぱり基本報酬を取らない事務所にすればよかった」と後悔しても後の祭り。
過払い金請求手続きにリセットはありませんので、手数料をできるだけ抑えたいのであれば、“基本報酬なし”の事務所がおすすめです。
成功報酬の相場は20%ですが、それ以下で依頼を引き受ける事務所もあります。
わずか数%の違いかもしれませんが、できるだけ手数料を安く抑えるなら、成功報酬率の差にも目を配りましょう。
成功報酬だけみると、それほど大きな差ははないかもしれません。
大切なのは、基本報酬やその他手数料などすべての費用を合算し、トータルでどれくらい引かれるのかを見極めることです。
誠実な事務所であれば、全部でどれくらいの手数料負担になるのか最初に明らかにしてくれるはずですので、細かく説明を求めるようにしてください。
たとえ成功報酬のみの手数料でも、満額回収できなければ手元に残る額は少なくなり、負担ばかり大きく感じてしまうかもしれません。
過払い金を要求どおり取り戻せるかどうかは、代理事務所の交渉力にかかってきます。
交渉力が弱かったり、安易に妥協するスタンスだったりする事務所には要注意です。
法律に沿って算定された過払い金額は、全額返還が基本。
それを拒む正当な理由は業者側にありません。
そこを妥協して7、8割程度に抑えるような交渉は、依頼者の立場を考えているとはいえないでしょう。
満額回収してくれるかどうか、依頼する最初の段階で確認することが重要です。
なお、過払い金請求の代理は、通常、業者との和解が成立していなければ途中で解約をすることは可能です。
また、契約にもよりますが、キャンセル料を取る事務所も少ないものと思われます。
こちらの希望どおりに動いてくれなかったら、「それでは別の先生に頼みます」くらいいってもよいかもしれません。
過払い金請求は費用が大事! 安い・高いの違いを見極めよう | 司法書士法人相澤法務事務所
こちらでは、どんな事務所が安くて、またどんな事務所が高い傾向にあるのか、詳しくご説明します。 これさえ知れば、費用の高額請求に泣かされる心配もありません。
これまでの内容をまとめると次のようになります。
過払い金は、「お金が戻ってくる」だけの話で、要は事務手続きです。
つまり、税金の還付金と似ています。
払い過ぎた税金は申告によって自動的に戻る仕組みですが、過払い金は自発的に動かなければ戻りません。
自分でその手続きをするのが難しいゆえに、司法書士などの専門家に依頼するわけですが、その際に重要なのが事務所の選定です。
料金体系の違いでもらえる額が少なかったら、大きく損することになります。
給料明細をみて所得税や住民税がたくさん引かれていたら、誰でも暗い気持ちになるはず。
過払い金請求では、事務所の選び方でどれくらい引かれるかの明暗が分かれます。
今回ご紹介したこちらの情報を参考に、明るい気持ちで清算できるパートナーをぜひ見つけてください。
【失敗体験】過払い金請求は事務所選びでリスク回避!
過払い金請求の成功・失敗は、事務所選びにかかっています。実際、「半年も待たされた」「50万円損するところだった」「しつこく営業されて嫌な気持ちになった」という方が、当事務所を訪れてきました。事務所選びに失敗した方の体験談を交えつつ、どんな情報が必要で何に注意すべきかご説明します。