過払い金返還請求を行う時、思いがけず落とし穴になることがあります。
例えば消費者金融や信販会社は、銀行の保証会社になっていたり、ショッピングでも利用できるクレジットカードを発行しているので、過払い金請求を行うと銀行やクレジットカードに影響がでたり、ブラックリストに載ってしまう可能性があります。
銀行等での借入があったり、クレジットカードを利用していると、単純に過払い金請求だけを行うつもりが場合によっては任意整理手続きになってしまう可能性があります。
クレジットカードでショッピング返済中の状態で過払い金請求をすると、過払い金とショッピングの金額で相殺されます。
借金額よりも過払い金の方が多い場合は差引いた残りの過払い金を回収して終わります。
しかし返済中の借金額が過払い金を上回ってしまうと、残った借金を任意整理する手続きに変わり、事故情報として信用情報機関へ報告します。
いわゆるブラックリストに載るということです。
ブラックリストに載ることによりその後の銀行審査(カードローンや住宅ローン、自動車ローン等)やキャッシング、カード発行、カードの更新などに支障が出てしまいます。
以下でそれぞれ詳しく書いていきます。
過払い金請求におけるリスクとは?
過払い金請求は専門家に任せておけば、安心して取り戻すことができるだろうと考える人も多いかもしれませんが、実はそこにはいくつかのリスクも隠れています。取り戻せるはずのお金を取り戻せなかったり、取り戻しても手数料等で相殺されてしまったり、そのようなことのないよう詳しくご紹介します。
まずは銀行との関係について、銀行カードローンには必ず保証会社がつきます。
消費者金融や信販会社はカードローンの保証会社になっています。
銀行カードローンで借入をしていて過払い金を請求する場合に、過払い金を請求する対象業者と銀行の保証会社が同じ会社だと問題がでる可能性があります。
銀行カードローンの返済に問題(債務整理や滞納)が発生した場合、債務者の代わりに保証会社が銀行へ支払いをします(代位弁済)。
以降の借金の返済は保証会社に対して行います。
保証会社をたてると銀行側は保証料を支払う必要がありますが、債権を回収できない場合のリスクを回避することができます。
完済後の過払い金請求で銀行の支払いも滞りなく支払いをしているのであれば、過払い金請求をしても銀行への影響はありません。
しかし、
返済中の業者を過払い金請求する場合で、銀行も返済中の場合
完済している業者へ過払い金請求する場合で、銀行の支払いが滞っている場合
上記2つの場合には影響がでる可能性があります。
返済中の業者へ過払い金請求する場合で銀行も残債がある場合に過払い金請求をした場合や、銀行カードローンの延滞をしている場合に過払い金請求をすると、保証会社が銀行の借入を代位弁済する可能性があります。
代位弁済されると代位弁済が行われた時点でブラックリストに載ることになります。
上記はすべて過払い金を請求する対象業者と銀行の保証会社が同じ会社の場合ですので、過払い金請求の対象業者と銀行の保証会社が別の場合には全く問題になりません。
過払い金請求が銀行カードローンや住宅ローンへ与える影響について
過払い金請求は基本的にはデメリットなく行えますが思いがけず銀行取引(カードローンや住宅ローン)へ影響がでる可能性があります。銀行へ影響をださずに過払い金を請求するにはどのようにすればいいのか?過払い金請求と銀行との関係をについてご説明します。ご相談は司法書士法人相澤法務事務所まで。
保証会社の代位弁済が行われる際に一定期間預金口座が凍結されます。
口座が凍結されると出金ができなくなりますので、給与振込や年金振込の口座に指定している場合は給料が振り込まれても一定期間引き落としができなくなってしまいますので特に注意が必要です。
給料等の振込口座ではなく、カードローンの返済のみの口座であれば問題はないでしょう。
※凍結後に振り込まれたものについては銀行との話し合いで凍結解除前に返してもらうことができる可能性はあります。
凍結後は過払い金と、保証実行後の銀行の残金とで相殺されることになり、残金のほうが過払い金よりも多額な場合は相殺後の残金を任意整理することになります。
専門家から業者へ受任通知を送付すると口座凍結されることになりますので、先に口座からお金を引き出しておいて、口座を空にしてから受任通知を送付するという方法をとることで相殺のデメリットを回避することはできます。
過バライ金請求のデメリットを解説!請求の先延ばしにもリスクあり | 司法書士法人相澤法務事務所
過バライ金請求をすればかなりの金額が戻ってくることが多いので、過バライ金請求を検討している人はたくさんいます。しかし、上手い話には何かリスクがあるのではと心配になってしまうでしょう。そこで過バライ金を請求するデメリット(リスク)を紹介するので、参考にしてください。
過払い金請求をする際、他に銀行等での借入がある場合は過払い金請求をする貸金業者が保証会社になっている銀行借入がないか?ということにも注意を払う必要があります。
保証会社については借入をしている銀行の支店に聞けばどの会社が保証会社になっているのか教えてくれます。
しかし、前述のとおり過払い金請求をする業者を完済していて、銀行の支払いも滞りないのであれば過払い金請求をしても問題はありません。
※過去に銀行の借入があったとしても現在は支払いが終わっているのであれば上記のような保証実行の問題は発生しませんし、現在銀行の借入があったとしても過払い金請求をする貸金業者が保証会社になっていなければ問題ありません。
ご心配ならば過払い金請求する業者も銀行の借入も完済してから過払い金請求を行うのが1番安全な方法ではあります。
しかし時効には注意が必要です。
過払い金請求の10年の時効について押さえておきたいポイント
過払い金が戻って来ない原因の一つに時効があります。しかし、時効については間違った認識をされている方も多いです。10年の時効の起算点はいつになるのか等を誤った情報で勘違いしないように過払い金請求をする場合の時効についてのポイントを紹介します。ご相談は司法書士法人相澤法務事務所まで。
信販会社で過払い金請求をする場合に、過払い金請求をする会社と同じ会社のクレジットカードでショッピングを利用していると過払い金とショッピング残債とで相殺されます。
※ショッピング分はそのままで過払い金だけを返還してもらうということはできません。
必ず相殺されることになります。
また、クレジットカードは解約になります。
ショッピング残金と過払い金とで相殺した結果、過払い金の方が多額なら問題なし。
残金の方が多額なら任意整理手続きになりブラックリストに載ります。
キャッシング部分とショッピング部分の両方とも完済していないと、任意整理手続き扱いとなる可能性があるということです。
過払い金返還請求をした時点で使用しているクレジットカードは解約になる点も落とし穴と言えます。
解約になる以上、自動引き落としをしている支払いについては、事前に変更をしておく必要があります。
過払い金とは?対象となるケースやメリット・デメリットを解説
過去の借り入れや現在も借金を返済している人の中には、過払い金が発生しているか気になっている人もいるでしょう。過払い金は、借金をしている人なら誰でも発生するとは限りません。過払い金の請求を検討している人のために、請求方法や、過払い金請求のメリットやデメリットなども紹介します。
過払い金請求をすると住宅ローンに影響はでないのか?よく聞かれますが住宅ローンと過払い金とは直接の関係はありませんので、過払い金請求をしても住宅ローン審査への影響はありません。
仮に過払い金請求ではなく、任意整理になってしまうとブラックリストに載ってしまうので住宅ローンの審査に通るのは非常に難しくなるでしょう。
※ブラックリストに載っていなかったとしても収入や年齢、職業、他の借入状況等総合的に考慮され審査に通らないということももちろんあります。
ちなみに既に銀行で住宅ローンを組んでいる人が過払い金を請求しても住宅ローンの返済への影響はありません。
過バライ金請求で想定される5大リスクを解説!先送りにしてもリスクあり? | 司法書士法人相澤法務事務所
過バライ金の返還請求を検討している場合、お金が返ってきてありがたいが、「何かリスクを伴うかも」と不安になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。これから、過バライ金請求を検討している人が心配にしているリスクやその実態について、また、過バライ金請求での注意点もご説明します。
消費者金融や信販会社は銀行との繋がりが強い業者もあるので、なんとなくで請求するとブラックリストや銀行口座凍結等思わぬデメリットが生じる可能性があります。
簡単に言うと、支払い途中での過払い金請求や他に銀行等から借入をされている場合には注意が必要になりますが、完済している業者への請求であり、その他保証している銀行からの借入もなく、同じ業者のクレジットカードも利用していないのであれば全く問題はありませんのでご安心ください。
過払い金の対象か対象外か?過払い金の対象業者か簡単チェック
過払い金の正確な金額を算出するには取引履歴の取り寄せ等の手間がかかりますが過払い金請求の対象になるかどうかなら簡単にチェックすることができます。簡単に過払い金の対象か対象外かを確認する方法をご案内します。チェックしてみましょう。ご相談は司法書士法人相澤法務事務所まで。