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債務整理って何がメリット?影響はない?失敗を避けるためには?

債務整理の方法をご存じでしょうか?返済能力を超えた額の借金を負ってしまい、完済するあてがなくなってしまったなら債務整理を検討しましょう。
債務整理は正当な手段にもとづいて借金を減額できるシステムです。
とはいえ、債務整理に興味があっても詳細を知らずに、借金に悩み続けている人も少なくありません。
この記事を読めば、債務整理の仕組みやメリット・デメリット、手続き方法やかかる費用を知ることができます


債務整理とは何をするの?まずは基礎知識を解説

まずは、債務整理の基礎知識である債務整理の種類や方法を紹介していきます。
債務整理は返済能力や負債額によって選ぶべき種類が異なります。
自分に合った債務整理で手続きを進めていくと、スムーズに借金を減らすことも可能です。

債務整理の内容

おおまかに債務整理とは「借金の額や利息を減らすことができる」手続きです。
自力で債務整理を行うのも不可能ではありません。
しかし、法律の専門的な知識や交渉力が必要なため、大半のケースでは弁護士や司法書士に依頼して代理人として手続きを進めてもらいます。
また、弁護士や司法書士に相談すると、債務整理についての疑問点に答えてもらえるメリットも生まれます。
弁護士や司法書士が窓口となることで、借金の解決案を提案してもらえるでしょう。

債務整理の方法

大きく分けて、債務整理は4種類です。
まず「任意整理」では、弁護士が債権者と借金減額の交渉を行うことで、返済可能な額にまで減らせます。
次に「特定調停」では裁判所債務者と債権者の仲介に入り、交渉を行うことで借金を減額できます。
そして「個人再生」では債務者や弁護士が裁判所に対して借金の減額を行うよう申し立てる結果、借金を減らせます。
最後の手段と言えるのが「自己破産」です。
自己破産では、債務者が依頼した弁護士が裁判所に申し立てを行い、免責が認められてから借金がゼロになります。

借金はどうなる?債務整理のメリットとは

債務整理では借金が減ること以外にも多くのメリットがあります。
債権者からの催促によって、金銭面でも精神面でも窮地に立たされている債務者は、債務整理を考えましょう。
以下、債務整理によって借金の催促が無くなること、返済額が減ることついて紹介します。

借金の催促が無くなる

借金の返済が滞れば、債権者から債務者に催促が行われます。
度重なる催促で、ストレスがたまっていく債務者も少なくありません。
しかし、弁護士など代理人が手続きを行う債務整理では、最初に代理人から債権者へと通知がなされます。
そして、通知を受けた債権者は一時的に借金の催促を行うことができなくなるのです。
催促が無くなれば、債務者には心理的余裕が生まれるため、冷静に債務整理に関する手続きへと頭を切り替えられます。

返済額が減る

債務整理の大きなメリットは「返済額が減ること」でしょう。
任意整理、特定調停、個人再生の場合は、手続きが通れば借金が減ります。
減額の内訳はさまざまですが、利息をカットするなどして債務者の返済能力に見合った額にまで引き下げてもらえます。
少しでも減額を増やしたいなら、弁護士や司法書士に依頼するのが得策です。
なお、自己破産が通ったときには「減額」ではなく借金が免除されます。

どのような影響が生じる?債務整理を行うデメリットとは

債務整理にはメリットが大きい一方で、生活への影響も出てくることがあります。
依頼する際にはデメリットまできちんと踏まえましょう。
以下、債務整理のデメリットである「クレジットカードやローン・保証人への影響」「職業制限」などについて紹介します。

クレジットカードやローンに影響がある

貸金業者から借金した場合、債務者の個人データは自動的に「信用情報機関」へと登録されます。
そして、債務整理を行うと信用情報機関のデータにネガティブな履歴が残るのです。
この状態を「ブラックリストに入る」と表現します。
ブラックリストに載ると、クレジットカードやローンの審査に通らなくなる可能性が高くなります。
ただし、ブラックリストに名前が残る期間は5年以上といわれており、永久に影響が続くわけではありません。

保証人に影響がある

貸金業者によっては、保証人がいなければ契約を結んでくれません。
もしも借金の保証人がいる場合、債務整理を行うと債権者から保証人へ請求が行く可能性があります。
債務者本人が返済をしなくてよくなったとしても、保証人に迷惑がかかるおそれがあるのです。
ただし、債務整理後も再生計画に基づいて債務者が支払いを継続するなら、保証人に支払いの義務は生じません。
減額した借金を債務者が完済するまで返し続けます。

職業制限が生じる場合がある

基本的に、債務整理を行っても就職や転職で制限はかからないとされています。
ただし、例外にあたるのが自己破産で就ける職業に制限が生じます。
この取り決めが「職業制限」です。
職業制限の対象として、弁護士や司法書士、上級公務員などが挙げられます。
また、質屋や証券会社など金銭を取り扱う職業でも自己破産経験者の就業を禁じています。信
情報機関に問い合わせると自己破産を行った過去は発覚するため、隠し通して就業することも難しいでしょう。

事前準備も大切!債務整理の手続き方法

債務整理に失敗してしまうと、借金があまり減額しないどころか、全くもとの条件が変わらないこともありえます。
債務整理を成功させるには入念に準備を行いましょう。
以下、債務整理の事前準備とそれぞれの手続き方法について説明します。

手続き前に知っておきたいこと

債務整理の手続き前に知っておきたいこととして「債務整理の事前準備」と「債務整理にかかる期間」があります。
債務整理は正しい準備を経て依頼するようにしましょう。
また、借金の苦しみから早く解放されるには、手続き期間も把握しておくべきです。

債務整理の事前準備

事前準備としてはまず、依頼先を決めましょう。
弁護士と司法書士では扱える案件が異なります。
自身の案件が弁護士か司法書士のどちらに該当するのか判断し、スムーズに相談を始めます。
それぞれの事務所が設けている「無料相談サービス」などを利用すると、信頼できる相手を見つけるのに役立つでしょう。
なお、依頼に必要な書類として「身分証明書」「債権者一覧表」「契約書」「請求書」「クレジットカード」などが挙げられます。

債務整理にかかる期間

依頼先を決め、債務整理をしようとしてもすぐには終わりません。
債務整理は手続きだけで数カ月から1年の期間を要します。
また、自己破産のように全額が免責されない限り、返済の義務も残ります。
借金の額にもよりますが、減額がなされてから3年~5年の期間をかけて完済するケースが多いでしょう。

それぞれの債務整理の進め方

債務整理は選んだ方法によって進め方が異なります。
減額の大小だけでなく債務整理で必要な行動を知っておくと、依頼する際の参考になるでしょう。
以下「任意整理」「特定調停」「個人再生」「自己破産」について、それぞれの進め方を説明します。

任意整理

まず、任意整理では「受任」から始まります。
弁護士が債務者から依頼を受けたあとに受任通知を債権者へ発送します。
通知が届いた時点で、債権者は取り立てや返済を停止しなくてはいけません。
次に「引き直し計算」が行われます。
債権者と債務者の取引履歴をもとに弁護士が引き直し計算を行い、借金額を確定させます。
「確定」と呼ばれるのは、債権者から提示された金利が法外である可能性もあるからです。
引き直しをもとに、弁護士が立てるのが「和解案」です。
弁護士が債権者に「本来ならこれだけの額さえ払えばいいはず」との案を提示します。
もしも和解が確定すれば「合意書」が作成されます。
そして、和解内容にもとづいて債務者が支払いを終わらせるまでが任意整理の流れです。

特定調停

債務者に依頼された弁護士は「申し立て書類」を作成し、準備を進めていきます。
そして、正式に簡易裁判所へと「特定調停の申し立て」が行われます。
次に、裁判所は「事件受付票の交付と調査期日の指定」をしてくるので、当日までに債権者との交渉内容を整えていかなくてはいけません。
「調査期日」がくれば、債務者の事情聴取が行われます。
そして、裁判所の調停委員と申し立て書の内容や債務状況の確認などを進め、返済計画案が完成します。
調査期日での返済計画案をもとに設けられるのが「第1回調停期日」です。
この日、債権者と裁判所の調停委員とのあいだで返済計画案が調整され、お互いの妥協点を探ります。
ここで妥協点が見つからなければ「第2回」以降に調停は持ち越されます。
最終的な返済計画が記載された「調停調書の作成」をもって、手続きは終了です。
あとは返済計画を守って減額した借金を債務者が支払っていきます。

個人再生

債務者が弁護士に「相談」を行ったあとで、債権者へ弁護士が「受任通知を発送」し、個人再生の手続きはスタートです。
それから弁護士が裁判所へ「個人再生の申し立て」を行い、裁判所からの調査が始まります。
裁判所は債務者の返済能力や意思を判断し、個人再生を行うかどうかを決定します。
この期間には返済トレーニングなども設けられ、基準に達しなかった債務者が個人再生を却下されることも珍しくありません。
申し立てから約8週間で裁判所から債権者に債権内容が提示されますが、内容が不服だと債権者は異議の申し立てが可能です。
その後、債務者と債権者が納得した債権額に基づいて、弁護士が「再生計画案(借金の返済計画案)の作成」を行っていきます。
「再生計画案の許可」を裁判所が下したら、借金の減額が確定です。
あとは、債務者が再生計画案通りに「借金の返済」を続けていきます。

自己破産

債務者が弁護士に依頼・相談を行い、自己破産の手続きは始まります。
最初に弁護士から債権者へ通知が届き、借金の「取り立て停止」がなされます。
債務者と弁護士は必要な「書類の準備」にかかることになります。
弁護士が裁判所に「破産手続き」の申し立てを行い、許可が下りると破産手続きが実行に移されます。
自己破産では借金全額の免責を申し立てするため、内容について債務者が裁判所で質問を受けます。
これが「免責審尋」です。
免責審尋によって、債務者の申し立ては正当かどうかが判断されます。
その結果「免責許可の決定」が下されると、債務者の支払義務が消失します。

債務整理はどちらに依頼する?弁護士と司法書士の違い

債務整理で味方になってくれる法律の専門家といえば、弁護士か司法書士です。
ただし、どちらに相談するべきか悩んでいる人も多いでしょう。
ここからは、費用や対応できる案件など、弁護士と司法書士の違いについて説明していきます。

弁護士

債務整理において弁護士は、債務者の相談や債権者との交渉、訴訟手続きを行うことが可能です。
弁護士には個別の債権額に対する限度が設けられていません。
140万円超の案件であっても、140万円以下であっても法律相談、交渉、訴訟を行えるのが強みです。
なお、弁護士にかかる費用は着手金と呼ばれ、原則として依頼時に支払われます。
着手金は債権者1件につき4万円前後が目安ですが、事務所によって差はあります。
債務整理を依頼する債権者の人数が多いほど費用も高くなるのも特徴です。
ただし、支払いは分割や後払いにしてもらうこともできます。

司法書士

弁護士と司法書士では扱える案件の幅が変わります。
債務整理において、債務者は司法書士に書類作成を依頼できます。
しかし、裁判所とのやりとりの委託は不可能なので、その場合は司法書士でなく弁護士を雇わなくてはいけません。
また、司法書士は債務額140万円以下の案件のみ対応可能です。
140万円以内であれば、多重債務であっても請け負ってくれます。

失敗をしないために!債務整理をする上での注意点

債務整理で借金苦から抜け出すためには、手続きを失敗しないことです。
注意点として「負債の報告」や「預金口座凍結への対応」が挙げられます。
これらについて、どのように動けば債務整理は成功しやすいのかを以下、説明します。

負債額を正直に報告する

弁護士に相談する際は給料明細やクレジットカード、預金通帳などを持参して現状を報告しましょう。
そして、すべての負債額を正直に伝えます。
虚偽の報告を行うと返済方針が定まらず、弁護士との信頼関係が築けなくなります。
最悪の場合、依頼を受けてもらえなくなるでしょう。
依頼を引き受けてくれたとしても、弁護士は教えてもらっている借金額だけにしか力を尽くせません。
たとえば「200万円の借金」を「150万円の借金」と偽ってしまえば、結局のところ減額が少なくなるのは債務者本人なのです。

預金口座凍結への対応を考える

債務整理をする場合、預金口座などが凍結する可能性があります。
なぜなら、信用金庫などが債権者に含まれている場合もあるからです。
債権者は少しでも残債を回収したいため、強制的に口座を凍結してきます。
そこで、債務整理の手続きが始まった時点で、すぐに入金先や支払いを別の口座に変更しておく必要があります。
ただし、債務整理に関係のない銀行の預金口座であれば凍結の心配はありません。

債務整理の仕組みを理解し手続きを行おう

借金苦に陥っているなら、債務整理を行うことで返済の負担を軽減可能です。
そして、債務整理を実現するには債務者だけの力ではきびしいと言えます。
弁護士や司法書士の力を借りて、的確なアドバイスをもらいましょう。
また、専門家に手続きを任せれば複雑な書類作成、債権者との交渉もミスなく進められます。
債務整理に手を取られて、仕事や家事に支障をきたすこともありません。
債務整理を行うには、まず専門家への相談から始めてみてはいかがでしょうか。

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