2010年以前に借り入れを行った場合、条件によっては過払い金が発生している可能性があります。
場合によっては数十万円単位で手元に戻ってくるため、可能性が疑われる場合には早めに申請を行う方がよいでしょう。
少しでも多くの金額を取り戻したい場合には専門家に依頼する方が確実ですが、その場合には当然ですが費用がかかります。
その金額は一体どれくらいで、どんな名目で必要となるのでしょうか?
今日は何にどれくらいの金額がかかるのか、確認してきましょう。
過払い金の請求を行う場合には、おおざっぱに分類すると下記のような費用がかかります。
・弁護士・司法書士への依頼費
・訴訟費用
もしも過払い金請求を自分で行う場合には、専門家への依頼費は必要ありません。
また、専門家に依頼した場合でも訴訟を行わずに済んだ場合には訴訟費用はかかりません。
ただ、自分で請求を行う場合にはほとんど取り戻すことが出来ないことも多々あります。
そのため、多くのケースでは専門家に依頼することになるでしょう。
弁護士と司法書士では、どちらが高い・安いということは特にありません。
それよりも大きいのは、事務所ごとの費用の違いです。
事務所によって設定している費用が細かく異なるため、できるだけ数カ所の事務所に見積もりをとって比較しなければ、せっかく取り戻せるはずだった過払い金が、事務所費用でほとんどなくなってしまうということもあり得ます。
そのためにも、見積もりを複数取って比較をすることに加え、あらかじめ自分でもおおよその相場を知っておく必要があります。
では、詳細にはどのような費用が必要となってくるのでしょうか?
細かい項目と相場について、順番に確認していきましょう。
弁護士と司法書士。過払い金請求の依頼で違いはある?
弁護士・司法書士どちらを選択してよいかは、資格の違いではなく“中身”を見ることが何より大切です。事務所の報酬体系やサービス力、交渉力がどうであるか中身のリサーチをしてこそ真に頼れるパートナーと巡り会えます。今回は、弁護士と司法書士についてさまざまな角度から比較していきます。
まず前提として、これから挙げる費用の全てが必ずかかるというわけではありません。
各事務所で設定されている費用は異なり、ある事務所では必要となるものが、ある事務所では必要ではないということもあります。
そのため単純に比較することは出来ませんが、それぞれの費用の特徴をおさえておくことで正確な費用の把握が出来るようになるはずです。
では、細かい費用を見ていきましょう。
これらは成功したかどうかに関わらず必要となる費用です。
ただし、取っていない事務所が多いというのも特徴です。
・相談料:取っている事務所はほとんどありません。
請求されるケースはごくまれで、もしも請求された場合には1時間5000円などといった金額になることが一般的です。
ただ、あまり見ない費用だと考えて問題ないでしょう。
・着手金:これも取っている事務所はほとんどありません。
司法書士事務所の場合には基本的に取りません。
弁護士事務所の場合には請求される場合もあり、金額としてはだいたい2万円が相場です。
・基本報酬:これに関しては相談の内容に応じてケースバイケースという形になっています。
取っていない事務所も多いのですが、残債がある状態で過払い金請求をするという場合だけ取っているという事務所もあります。
相場はおよそ2万円です。
これは、過払い金請求が成功した場合に必要となります。
この後に説明する成功報酬とはまた別で、最終的な返還額にかかわらず定額で請求されるものとなります。
ただ、取っている事務所は少ないのが現状です。
これはほぼ確実に請求される費用です。
一般的に「過払い金請求にかかる費用」といった場合に専門家に支払う金額で最も多いものがこれとなります。
金額はだいたい回収金額の〇〇%といった形で請求され、任意ならば20%、訴訟ならば25%というのが相場です。
一般民事の場合には全体で15%というのが相場であるため、過払い金請求の場合には若干高いというのがわかりますが、手元に戻ってくる金額を考えるとそれでも請求をした方がいいでしょう。
減額報酬とは、完済していない過払い金請求の場合に、引き直し計算を行うことで返済額が減額される場合に請求されることがあります。
たとえば、返済残高が30万円だと思っていたものが引き直し計算をしたら返済額がなくなった場合、この『30万円』が減額報酬の対象となります。
減額報酬が請求される場合は減額した金額の〇〇%という場合がほとんどで、おおむね10%となりますが高い事務所では24.9%とかなりの高額になるため、事前にしっかりと確認しておく必要があります。
なお、司法書士会の指針によるとただ引き直し計算をしただけの場合には請求することは出来ないことになっております(それでも請求する事務所は存在しておりますが。)。
引き直し計算の結果、過払い金があると発覚したために貸金業者と争うことになった場合に初めて請求が認められる費用となっています。
弁護士の場合には引き直し計算をしただけでも請求することが出来ると定められています。
出張費、通信費、訴訟費用などの専門家に支払う報酬以外にも必要となってくる細々とした費用があります。
この他にも、裁判所に行く場合にはそのためにかかる交通費もありますし、訴訟を起こした場合弁護士に依頼していると場合によっては日当がかかる場合もあります。
これらは何が必要となるか、どれくらいの金額になるかは依頼した専門家の違いや依頼人の居住地などによっても異なってくるため、見積もりの段階で出張費などが必要になるのか、訴訟の場合には日当も必要になってくるのかなどを確認しておくと良いでしょう。
なお、自分で過払い金の請求を行う場合には他の費用はかかりませんが、訴訟費用等の実費は負担しなければならないことは覚えておきましょう。
ここから先は、一般的にはあまりないものではありますが、事務所によっては請求してくる場合があります。
その事務所のオリジナル費用とも言えるもので、他の事務所では請求されないということも多いため比較のポイントにもなってきます。
では、それらの費用にはどのようなものがあるのでしょうか?
・口座管理手数料:過払い金請求を専門家を通して行った場合、返還されたお金は一旦事務所に入り、請求にかかった費用を引いた上で依頼人の口座に振り込まれます。
その際の口座管理の手数料として設定されていることがあります。
・引き直し計算手数料:引き直し計算を行う場合に、その結果がどうあれ請求されるというものです。
これに関しては、簡単に引き直し計算ができるようなツールも多く存在しているため、自分で行うことが出来るものであるということも知っておきましょう。
・和解資料作成費用:一般的にはこれも込みで成功報酬としている場合がほとんどですが、別途請求されることもあります。
ただ、これもあまり請求されるものではないということはしっかりと把握するようにしましょう。
他にも様々な名目で請求されることがありますが、その事務所におけるオリジナルの費用であるということはきちんと覚えておきましょう。
場合によっては相場よりも安い成功報酬が設定されているのでお得だと思っていたのに、それ以外の細々とした費用を足してみたら結果としてかえって高くなってしまった、というようなこともあり得ます。
どんな費用がかかるのかということはやはりしっかりと把握しておかなければ、なし崩し的に損をするということは十分にあり得るのです。
過払い金請求の費用が気になる!あなたの負担はどれくらい?
払い過ぎた返済金を取り戻すための過払い金請求。過払い金の料金体系を知るとともに、費用が高い事務所・安い事務所の見分けをつけることが大切です。返済が終わって10年で時効を迎えますので、はやめに動いてあなたのお金を取り戻しましょう。
ここまでで見てきた様々な費用を総合して考えると、一体どのような事務所が有利でオススメと言えるのでしょうか?
もしも完済している場合には、下記のような費用構成の事務所が最もオススメです。
・相談料:0円
・着手金:0円
・基本報酬:0円
・解決報酬:0円
・成功報酬:返還金額の20~25%
・減額報酬:0円
・実費:内容によりけり
つまり、完済での請求の場合には20~25%の成功報酬と実費だけで済む事務所に依頼するのが最も有効ということになります。
ちなみに実費については、交通費であったり収入印紙代であったり電話代であったり郵送のための切手代であったり……と一般的にかかっても当然だろうと思われる範囲のものであれば払うものだと思っておきましょう。
よっぽど遠方からやってきたというわけでなければあまり非現実的な金額になることはありません。
ただ、完済していない場合にはいくつかゼロにならないケースもあります。
例えば減額報酬に関しては、現在では請求する事務所は少なくなりましたが全くないというわけではありません。
また、債務残高がある場合のみ基本報酬を請求するという場合もあります。
そのため、債務残高がある状態で過払い金請求を行う場合には「成功報酬+基本報酬」という組み合わせが最も費用が少なく依頼出来る事務所と考えられます。
過払い金請求は費用が大事! 安い・高いの違いを見極めよう | 司法書士法人相澤法務事務所
こちらでは、どんな事務所が安くて、またどんな事務所が高い傾向にあるのか、詳しくご説明します。 これさえ知れば、費用の高額請求に泣かされる心配もありません。
多くの人が誤解をしているのですが、過払い金というのは発生している金額の全てを回収出来るものではありません。
満額に近い金額を取り戻せることもありますが、交渉する貸金業者によっては〇%まで取り戻せるといった形でだいたいの相場が決まってしまっている場合もあります。
そのため、どれくらいの割合で取り戻せるのかという回収率に関しても注意して考えなければなりません。
先ほどもご説明した通り、回収割合というのは必ず100%になるとは限りません。
出来ることならば返還したくないというのが貸金業者の本音ということもありますし、完済していない状態ではその割合が低くなってしまったり、場合によっては過払い金の請求ではなく任意整理として扱われてしまい信用情報に記載されてしまったりということもあり得ます。
また、依頼する事務所の性格によってもそれくらい回収出来るかということは異なってきます。
だいたいの事務所では、ホームページを見ると「〇〇社から〇%回収」といった形で公表していますので、自分が過払い金請求を行いたい貸金業者を確認して内容を確認するといいでしょう。
事務所によって得意としている貸金業者が異なることもありますので、これもやはり数社比較して選択するようにした方がベターです。
一言で「手元に戻って来る金額」といっても、注意すべきは回収割合だけではありません。
おおまかな流れとしては、過払い金請求を行い、貸金業者からの返還が確定すると、一旦過払い金請求を依頼した事務所にお金が振り込まれます。
そこから事務所でかかった費用を引いて、残額を依頼人に振り込むという流れになるのです。
つまり、手元に戻って来る金額は下記の通りです。
回収割合-費用=手元に戻る金額
回収割合が高かったとしても、費用が多く掛かってしまった場合には、手元に戻る金額は減ってしまいます。
ですので、回収率が高かったとしても事務所費用が嵩んでしまえば手元に戻る金額はかなり減ってしまうのです。
だからこそ、見積もりをしっかりと取ることは重要になります。
過払い金の回収に関しては、訴訟を起こさずに交渉をする方法を、訴訟を起こして裁判で争うという方法の2種類があります。
この場合、訴訟を起こした方が手元には多くの金額が戻って来ることになります。
しかし、その裁判に時間がかかるということは、それだけ訴訟費用が嵩んでしまうこともあります。
つまり費用が多くかかり、手元に戻って来る金額が減ってしまうこともあるのです。
とはいえ、訴訟を起こさなければあまり多くの額を取り戻すことは出来ません。
ですので、そのバランスを考えることも大切です。
もっとも、本来は裁判をおこさなくても返すべきではあるのですが、強制力自体は若干弱いものでもあるためある程度の支出は覚悟の上で考える必要があります。
過バライ金の請求にかかる料金はいくら?依頼費用や相談費用の相場を紹介 | 司法書士法人相澤法務事務所
過バライ金の返還請求を希望する場合には、専門家に依頼することになるため依頼料が気になります。相談するだけでも費用がかかることがあるので、依頼費用を支払えるか不安に感じている人もいます。依頼費用や相談費用の相場など過バライ金の返還請求にかかる費用の支払い方について詳しく解説します。
過払い金は、発生しているからといって全て確実に取り戻せるというものではありません。
この点を誤解している方は案外多いため、手元に戻る金額の見積もりを誤らないようにしなければなりません。
その上で、費用をどれだけ抑えられるのかということも考えていかなければなりません。
そのため最も重要なことは、何社か見積もりを取った上で比較するということです。
賢くお得に過払い金請求が行えるよう、様々な知識を身に付けていきましょう。
【失敗体験】過払い金請求は事務所選びでリスク回避!
過払い金請求の成功・失敗は、事務所選びにかかっています。実際、「半年も待たされた」「50万円損するところだった」「しつこく営業されて嫌な気持ちになった」という方が、当事務所を訪れてきました。事務所選びに失敗した方の体験談を交えつつ、どんな情報が必要で何に注意すべきかご説明します。