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過払金は自分で計算できる!請求額の有無を確認する計算方法とは

監修:相澤法務事務所

過払い金がもしあるなら請求したいけれど、計算したくてもやり方がわからないという人もいるでしょう。
計算方法さえわかっていれば自分でも計算することはできますが、計算方法を間違えると返還額が少なくなることもあり、さらには返還の請求自体を拒否されてしまうリスクがあります。
本記事を通して計算方法を学び、正しく請求できるようになりましょう。


過払金があるか確認する方法

過払金があるか確認する方法

過払い金があるかないかをまず判断できるかが請求するかを決める上で最も重要になります。
どうすれば過払い金があるかを確認することができるのでしょうか。
自分で引き直し計算と呼ばれる手法で確認することができます。
また、過払い金があってきちんと請求できるかどうかを判断するには請求可能な条件を満たしているかも確認しなければならないので、その詳細を把握しておきましょう。

取引履歴を取り寄せて引き直し計算をする

借り入れをしていて金利を支払っているときに利息制限法の上限を超えて利息を請求されて支払ってしまっていると過払い金が発生するというのが基本的な原理です。
これが念頭にあれば、グレーゾーンの高金利での支払いをしていたときには正しい金利で計算し直し、実際に払った金額と比べてどうなっているかを見てみれば過払い金があるかを判断できるでしょう。
この計算ことを引き直し計算と言い、差額があった場合には過払い金請求をすることで返還してもらえる可能性があります。
引き直し計算をしてみた結果として法的に正しい金利だったというときには過払い金がないので請求も不可能ということになります。

過払いをしているかどうかを見極めるために役に立つのが取引履歴です。
取引履歴を貸金業者から取り寄せてどんな金利になっていたかを見てみましょう。
もし20%を超える利率のデータがあれば過払いになっている実績があります。
その場合にはきちんと計算をして請求手続きをするのが賢明です。
15%くらいでも場合によっては過払いのこともあるので計算してみるに越したことはありません。

そもそも過払金を請求できる条件とは

そもそも過払金を請求できる条件とは

過払い金請求が可能かどうかを判断するには一定の条件を満たしているかを確認してみるのが良い方法です。
主な条件として知られているものが三つあります。
一つ目は過去にグレーゾーン金利で取引をしていたことです。
低金利で借り入れをしていた場合は過払いが発生することはまずないので、本当に高い利率になっていたことがあるときに検討する意味があります。

二つ目は時効を迎えていないことで、過払いをして完済してしまった借り入れであっても遡って請求することが可能です。
時効は借り入れの返済が完了してから10年とされているので、それ以上経過してしまっている場合には諦めざるを得ません。
ただ、請求先の貸金業者が倒産してしまっていて存在しないようなときには請求対象がいないことから不可能ということも知っておくと良いでしょう。
三つ目は最近、過払い金の発生するグレーゾーン金利にて返済を行ったという場合です。
過去に高金利での取引をしたときだけでなく、現在取引中の場合にも過払い金があるときには請求ができます。

引き直し計算と計算方法

引き直し計算と計算方法

それでは具体的に引き直し計算はどのようにして行うのかを確認してみましょう。
簡単なモデルケースとして、貸金業者から100万円を借りてその1ヶ月後に5万円を返済に充てた場合を挙げます。
この場合に利息制限法における15%、出資法における29.2%という利息の上限について考えてみましょう。
利息制限法の場合には年間の利息が100万円の15%なので15万円です。
一日あたりはその365分の1になるので410円で、1ヶ月にするとその30日分になるので12,300円と計算されます。
つまり、5万円のうち37,700円が元金の返済、12,300円が利息に相当することになるのです。

同様にして計算すると出資法に基づいた場合には、1ヶ月の利息分の支払いが24,000という計算結果となり、元金の返済分は26000円になります。
このように出資法の上限で考えた場合に比べて、利息制限法の場合には11,700円も金利が少なくて良いことになります。
従って、1ヶ月で差額11,700円の過払い金が発生するのです。
このケースではこのままの利子で返済を終えた場合は17万円ほどの過払い金があり、請求すれば手元に戻ってくるでしょう。

もう一つのケースとして、100万円を借りて、1年後に120万円を返すという契約をし、すでに返済が終了している場合を考えてみましょう。
先ほどの例では月単位で考えたので複雑な計算が必要になりましたが、1年という単位で考えてみるとわかりやすくなります。
利息制限法では15%が年間の利率の上限なので、1年後に返済する場合には15%の15万円までしか利息を取ることはできません。
120万円を返した場合には5万円だけ多く払っていることになります。
そのため、この場合に請求できる過払い金は5万円とわかるのです。

自分で計算する場合の注意点

自分で計算する場合の注意点

過払い金請求ができるかどうかを判断するときには自分で計算してみるのが良い方法ではあるものの、注意しておかなければならない点もあります。
計算が複雑になる場合があることもそうですが、無料のシミュレーションサービスを使っても参考値しか得られないのが普通です。
その詳細について理解して、どうするべきかを判断できるようになりましょう。

完済後に再度借りている場合は計算が複雑

とても単純なケースでは引き直し計算をするのはそれほど難しくはないかもしれませんが、慣れていない人が計算しようとすると複雑で悩んでしまうケースも少なくありません。
典型的なのが一度借り入れを完済した後、もう一度借り入れをしている場合です。
このときに問題になるのが分断が発生することで、一連のものになっていないと時効が発生してしまう可能性が高まります。

例えば12年前に借り入れをして10年前に完済し、10年前にまた借りてすぐに返済を終えたとしましょう。
この場合には時効は完済してから10年で成立するため、この借り入れが分断されているのであれば後の借り入れについてだけ過払い金の請求が可能です。
しかし、これが一連の価値入れだと見なされれば最初の借り入れの利息についても過払いがあった分を請求できます。
通常は1年以内の空白であれば一連の取引とみなされる可能性がありますが、取引が分断か一連かは裁判でも争いになりやすいところなので注意が必要です。

無料のシミュレーションは参考値でしかない

過払い金がいくらになるのかを計算するのは面倒だと思ってウェブサイトを検索してみると、無料で利用できる過払金計算サイトが見つかるでしょう。
シミュレーションをすることで引き直し計算を自動でできる仕組みになっているのが特徴です。
これを使えば確かにいくらの過払いがあるかを簡単に計算できると思うのはもっともなことでしょう。
しかし、この結果はあくまで参考値にしかならないので請求するときにはきちんと計算し直さなければなりません。

どのくらいの利率で金利を支払っていたかは契約していた貸金業者によって異なります。
その具体的な数字で計算しないと正確な値を算出できないのは明らかでしょう。
また、利息がどのようにして決まっていたかも業者によって違い、借りている間に利息が改められている場合もあります。
業界全体として変わった場合でも何月何日に変更したかは業者ごとに違うので注意が必要です。
このように細かな違いによって過払い金が変わるので正確な条件を定めないと本当に請求できる金額はわからないのです。

返済中に遅延や延滞があると遅延損害金を考慮する必要がある

もう一つ気をつけておきたいのが遅延損害金利率が適用されるケースがあることです。
返済の遅延や延滞をしていた場合には、その機関に対して遅延損害金利率を適用することが法律によって認められています。
該当期間については利息制限法で定められている上限金利の最大1.46倍になる遅延損害金利率を使うことができるのです。
返済は滞りなく行っていたという場合には問題になりませんが、遅れた経験がある場合には計算はかなり複雑になってしまいます。

引き直し計算を自分でやる場合と専門家が代行する場合の違い
引き直し計算は自分でやっても問題はありませんが、専門家に依頼してやってもらうことも可能です。
この二つのやり方にはどのような違いがあるのでしょうか。
それぞれのメリットとデメリットを比較しておきましょう。

自分でやるメリットとデメリット

自分でやるメリットとデメリット

引き直し計算を自分でやるメリットはお金がかからないことです。
取引履歴を取り寄せるのにも費用がかからないのが一般的なので、過払い金の請求手続きまで自分で終えてしまえば支出がほぼありません。
ただ、複雑な計算をするための知識が必要とされることに加え、引き直し計算をしたときにミスをしても気づかないリスクがあります。
少なく見積もった場合には返還される金額が少なくなることもあるのはデメリットです。

専門家が代行する場合のメリットとデメリット

専門家が代行する場合のメリットとデメリット

専門家に引き直し計算の代行を依頼するメリットは正確性が高くて計算の手間がかからないことです。
ミスがないので正しく請求することができるのも魅力でしょう。
しかし、専門家に依頼するとお金はかかり、一件あたり5,000円から10,000円が相場になっています。
ただ、過払い請求も依頼すると引き直し計算の部分については無料で請け負ってくれることも少なくありません。

過払金の計算を専門家に依頼したほうがよい場合

過払金の計算を専門家に依頼したほうがよい場合

自分でやらずに過払い金の計算を専門家に依頼した方が良いのはどういうときなのでしょうか。
まず、先に述べたように同じ貸金業者で借り入れと完済を繰り返している場合には時効の問題が生じやすいので専門家に任せた方が有利です。
また、返済が遅れてしまった経験がある場合には遅延損害金について考慮する必要が生じるため、正しく計算できるように専門家に依頼するのが安全策でしょう。
借り入れがまだ残っている場合にも日割り計算が難しくなりがちだということを考慮して専門家に任せた方が安心です。

一方、業者が取引履歴を処分している可能性がある場合にも専門家に依頼しましょう。
取引履歴を手に入れられないと計算するのは困難ですが、専門家に相談して業者に打診してもらうと裁判になることも考慮して何とか用意してくれることもあるからです。
いずれにしても適切な証拠書類を持ち出して適切な対応をしてくれるのが専門家に依頼するメリットになります。

引き直し計算が無料の事務所もある!専門家への依頼がオススメ

引き直し計算が無料の事務所もある!専門家への依頼がオススメ

過払い金は正しく計算できなければならないのが大変なところですが、請求できるのならしたいと考えるのがもっともなことでしょう。
過払い金の調査は無料で行ってくれる弁護士や司法書士の事務所がたくさんあるので、まずは相談してみましょう。
相談料や着手金が無料の事務所もあるので、トータルで考えると専門家への依頼がおすすめです。

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