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債務整理後の住宅ローン借り換えは可能?影響は手続き別で異なる

債務整理をしようと思っているものの、返済中の住宅ローンへの影響が気になるという方もいるのではないでしょうか?本記事では、債務整理後も住宅ローンの借り換えは可能なのか、そして返済中の住宅ローンにどのような影響があるのかなどについて解説していきます。
これから債務整理を検討している場合は、ぜひ参考にしてください。


住宅ローンの借り換えとは?債務整理前に知っておきたい知識

ここでは、まず住宅ローンの借り換えとは何なのかを解説していきます。
また、住宅ローンを借り換えるメリットや借り換える場合の審査基準についても解説していくので、実際に債務整理をする前に確認しておきましょう。

住宅ローンの借り換えとは

住宅ローンの借り換えとは、返済期間中に別の住宅ローンに乗り換えることをいいます。
住宅ローンの返済は長期に渡るため、もともと借入をしていた住宅ローンよりも金利の低い住宅ローンが出てくることがあり、金利が低いほうに乗り換えることができます。
また、変動型の住宅ローンの場合だと、金利の上昇により利息が増えるというリスクがありますが、金利が低いうちに固定型の住宅ローンに借り換えることで、将来の利息を減らせる可能性もあるでしょう。

借り換えするにあたり、お得なのかどうかを判断する3つの条件があります。
それは、「今借りている住宅ローンとの金利差が1%以上か」「残りの返済期間が10年以上か」「残りの元本が1,000万円以上か」ということです。
これらの条件に当てはまっていれば、お得になる可能性は高いです。

住宅ローンを借り換えるメリット

住宅ローンを借り換えるメリットはたくさんあります。
まず、金利の低い住宅ローンに借り換えると、総支払額を減らせるということです。
総支払額が減ると、毎月の返済額も減らしたり、返済期間を短くしたりすることが可能です。
また、変動金利から固定金利の住宅ローンに借り換えると、将来の金利上昇リスクを抑えられます。
10年や20年と長期間固定金利の住宅ローンであれば、これから先もずっと安心して支払っていけるでしょう。

さらに、リフォームを検討している場合は、リフォームローンと住宅ローンをまとめて、住宅ローンとして借り換えることができます。
一般的に、リフォームローンだけだと金利は2%以上と高いです。
しかし、住宅ローンとまとめることにより、長期間に渡り低金利での借り入れが可能になります。

住宅ローンを借り換える場合の審査基準

住宅ローンを借り換える際は、新規の借入となるため、審査に通過する必要があります。
もし審査に通過できなかった場合は、当然のことながら借り換えることはできません。
借り換える際の審査基準は、担保価値、契約者の債務状況や収入、職業、勤務先、勤続年数、過去の返済履歴などです。
なお、借り換えで融資を受けるにあたり、物件の担保価値よりも融資の金額が高くないと、今借り入れている住宅ローンを完済することができません。
なぜなら、物件の価値が減少していくスピードは、住宅ローンの残高が減少していくスピードよりも早いからです。

しかし、融資する金額よりも担保価値のほうが低ければ、その分、担保価値以外の審査基準が厳しくなります。
つまり、借り換えの審査では契約者の債務状況や収入など、担保価値以外の基準について厳しくチェックされるのです。

債務整理をしても住宅ローンの借り換えは可能なのか?

先ほどお伝えしたとおり、住宅ローンの借り換えは新規の借入という扱いになり、借り換え先の金融機関の審査を受ける必要があります。
審査の際に、金融機関は個人信用情報を重視しています。
そのため、信用情報機関に事故情報として債務整理の記録が残っている場合は、借り換えの審査に通過できない可能性が高いです。
信用情報機関に登録されている事故情報は、いわゆるブラックリストと呼ばれるものです。
債務整理をすると、5~10年の間はブラックリストに載ることになります。

この期間が過ぎればブラックリストから外れて、債務整理を行ったということはわからなくなります。
したがって、住宅ローンの借り換えをしたい場合は、ブラックリストから外れるのを待たなければなりません。

債務整理をすると住宅ローンにどんな影響がある?

債務整理をすると、住宅ローンにどのような影響があるのでしょうか。
ここでは、債務整理の種類別に、その影響について解説していきます。

任意整理の場合

任意整理の場合は、整理の対象となる債権者を選べるので、住宅ローンを対象から外すことが可能です。
そうすることによって、返済中の住宅ローンには影響がありません。
住んでいる家を手放す必要がなく、住宅ローンの返済に関する条件の変更などもないため、最も影響が少ない債務整理の手段といえるでしょう。
ただし、一定期間はブラックリストに載っており、新規で住宅ローンを組んだり借り換えたりすることはできなくなってしまうので、注意しなければなりません。

個人再生の場合

個人再生の場合は、基本的にすべての債権者が対象となります。
ただし、住宅資金特別条項により、条件を満たせば住宅ローンを債務整理の対象から外すことができます。
その条件とは、本人が所有している住宅であること、居住用の住宅であることなどです。
住宅資金特例条項を使うことができれば、住宅ローンを除いた債務を減らせるので、結果的に住宅ローンを楽に支払えるようになります。
なお、税金を滞納して住宅に差押登記が設定されたり、住宅ローンを滞納していたりする場合は、住宅資金特例条項を使うにあたり、滞納を解消する必要があります。

また、個人再生を行うと、任意整理と同様に新規の借入や借り換えは一定期間できなくなるので、その点にも注意しましょう。

自己破産の場合

自己破産する場合は、住宅ローンを含むすべての債権者が対象となります。
住宅については任意売却をするか、もしくは競売にかけられます。
任意売却とは債権者の合意を得て、自らの意志で売却すること、そして競売は裁判所が介入することによって、強制的に処分されることです。
競売によって住宅を処分した際に入った資金は、債権者へ分配されることになります。
競売は相場の60〜70%程度の価格で売られてしまうため、家を処分した後も債務が残る可能性がありますが、債権者に一括返済するよう迫られ、給与の差押えが行われることもあるので注意しましょう。

また、自己破産を申請すると、他の債務整理と同様に、手続きした後5~10年間は、住宅ローンの借入や借り換えができなくなります。

債務整理後に住宅ローンを借り換えるためのポイント

債務整理をしてから一定期間が経過した後は、住宅ローンの借り換えは可能になるのでしょうか。
ここでは、債務整理後に借り換えする際のポイントについて述べていきます。

信用情報をチェックする

債務整理後に住宅ローンの借り換えを検討する際には、まず信用情報機関に事故情報の記録が残っていないかを確認しましょう。
信用情報機関はJICC(日本信用情報機構)、CIC(指定信用情報機関)、KSC(全国銀行個人信用情報センター)、の3つあります。
過去に債務整理をした人はすべての信用情報機関に事故情報が記録されています。
そのため、それぞれの機関で情報開示請求をするのが確実です。
JICCの場合はスマートフォン、窓口、郵送、CICの場合はインターネット、窓口、郵送、KSCの場合は郵送のみで請求することができます。

なお、開示請求には手数料がかかります。
手数料の金額や支払い方法については、信用情報機関や請求方法によってそれぞれ異なるため、ホームページで確認してみましょう。

債務整理の対象となった金融機関以外で借り換える

債務整理の対象となった金融機関では、信用情報機関の事故情報が消えた後も、債務整理の情報が残り続けます。
そのため、借り換えの審査に通過できない可能性がとても高いです。
そこで、住宅ローンの借り換えを検討する際には、債務整理の対象となった金融機関以外に申し込むようにしましょう。
ただし、いきなり他の金融機関に住宅ローンの借り換えを申し込むと、信用の実績がないので審査に通らないことがあります。
よって、あらかじめ口座を開設し、お金を貯めておくとよいでしょう。
それでも審査に通過できないときには、比較的審査が緩いことで知られているネット銀行や地方銀行に申し込んでみるのも方法の1つです。

フラット35を申し込んでみる

銀行や信用金庫などの民間の金融機関に申し込んで、審査に通過できなかった場合には、「フラット35」を申し込んでみるという方法もあります。
フラット35とは、民間の金融機関と住宅金融支援機構が提携して住宅の購入資金を貸し出している住宅ローンのことです。
全期間固定金利型のため、完済するまでずっと金利が変わらず、返済計画を立てやすいのが特徴です。
民間の金融機関の住宅ローンと比べて、フラット35では勤続年数や勤続先がそれほど重視されないといったように、審査基準に違いがあります。
そのため、民間の金融機関の審査に通過できなくても、フラット35であれば通過する可能性があるのです。

フラット35の申し込みは、銀行や信用金庫の他、住宅ローン専門の金融機関などが窓口となっています。
どの金融機関でも利用できる人や住宅の条件は同じですが、金利や借入の手数料はそれぞれの金融機関で異なるので注意しなければなりません。

家族名義で借り換えをする

事故情報の記録については、本人の個人信用情報に残るだけであり、その家族に影響することはありません。
また、住宅ローンの審査は、契約者本人のみの個人信用情報が審査に影響します。
そのため、家族の個人信用情報に問題がない状態であり、加えて仕事をしていて安定した収入を得ているのであれば、その家族を契約者として住宅ローンの借り換えを申し込んでみるとよいでしょう。
債務整理をした本人でなければ、審査に通過できる可能性があります。
その場合は、借り換えを申し込む家族の収入や信用度などが審査基準となるので、債務整理をした直後であっても審査に影響はありません。

債務整理後の住宅ローン借り換えは5年以上待ってから

債務整理後に住宅ローンの借り換えをする場合、信用情報機関に事故情報が残っている間は審査に通過できない可能性が高いです。
そのため、借り換えを申し込むのであれば、5年以上経過してからの方が良いでしょう。
どうしてもすぐに借り換えが必要な場合は、家族が契約者となり申し込むという方法もあります。
債務整理後の住宅ローンの借り換えに不安がある方は専門家へ相談してみましょう。

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