生活費が足りなくなった、冠婚葬祭などで急にお金が必要になったなど、さまざまな理由から借金をする場合もあるでしょう。
お金を借りる際には利子が付きますから、長く借りていることで返済額は多くなります。
そのため、借金をできるだけ早く減らしたいと思うものです。
借金を早く減らすためにはどうしたらいいのでしょうか。
詳しく見ていきましょう。
早く返済するための方法として考えられるのが、返済期間を短くすることです。
分割払いやリボ払いで返済している場合には、返済期間を短くすることで借金を早く返すことができます。
とくにリボ払いは返済額が毎月一定のため、返済期間が長くなりがちです。
返済にかかる期間が長くなってしまうことで、支払う利息も多くなり負担は増えてしまうのです。
そのため、返済期間を短くしたほうが利息の負担も軽くなり、総返済額が少なくて済みます。
ただし、注意点もあります。
返済期間を短くするということは、毎月の返済額が多くなるということです。
返済額を多くしすぎると生活が苦しくなるケースもあるので、返済スケジュールをしっかりとシミュレーションするようにしましょう。
無理なく返済できる金額に設定することが重要です。
繰り上げ返済を効果的に利用していくことも重要です。
繰り上げ返済とは、毎月の返済額にプラスして借金を返済していくことをいいます。
たとえば毎月5000円返済していたとしましょう。
この5千円は通常通りに返済し、その他に5000円返済するというのが繰り上げ返済です。
月の返済額が1万円になりますので、返済にかかる期間はその分短くなるでしょう。
繰り上げ返済は、返済日とは関係なく支払えるときに自分のペースで返済していくことができます。
そのため、余裕のある月にだけ返済することも可能です。
また、繰り上げ返済は元本の返済にあてられることになります。
元本を効率的に返していくことで利息が減りますから、総返済額を減らすこともできるのです。
そのため、ボーナスなどのまとまったお金が入ったときや生活に余裕があるときに、地道に繰り上げ返済をしていくことが大切になります。
どうしても返済が厳しい場合には、債務整理をするのも一つの方法です。
債務整理にはいくつかの種類があり、それぞれに特徴や対象になる人が違ってきます。
また、債務整理をする場合には、債権者との交渉や裁判所での手続きが必要になるため、個人ではおこないにくいのが特徴です。
弁護士や司法書士に依頼をすることになるので、ある程度の費用が必要になるでしょう。
しかし、毎月の返済が苦しい場合には有効な手段です。
まずは専門家に相談してみるといいでしょう。
債務整理で借金が大幅に減るケースがあります。
どのようなケースで借金の大幅減額ができるのか見ていきましょう。
債務整理とは、弁護士や司法書士に依頼しておこなう手続きになります。
債務整理の中ではもっともよく使われているのが、この任意整理でしょう。
債務者の代理人として弁護士や司法書士といった専門家が、債権者と交渉して返済計画などの和解を成立させるのです。
任意整理をすることによって、将来的に支払うはずだった利息をなくしたり、返済期間を伸ばしてもらえたりできます。
特に、金利が高い場合には有効な手段です。
利息制限法の上限利率を超える場合には、利息制限法による引き直し計算をおこなって、今まで支払い過ぎた利息を元本にあてて借金を減額することができます。
また、利息のカットなどの交渉もおこないますので、借金を大幅に減らすことが期待できるでしょう。
個人再生とは、裁判所を通じて借金を減額してもらう手続きのことをいいます。
裁判所に申し立てることによって、手続きを進めることができるのです。
利息分だけでなく、元本も大幅に減額できる可能性があることが特徴でしょう。
しかし、すべての人が個人再生の手続きをおこなえるわけではありません。
個人再生は、将来的に継続して収入を得る見込みがあること、借金の総額が5000万円を超えないことです。
そのため、しっかりとした仕事や収入があることが重要です。
個人再生によって大幅に減額した元本は、3~5年程度で返済していくことになります。
個人再生は、任意整理と自己破産の中間といった位置づけになるでしょう。
自己破産のように借金の返済義務がなくなるわけではありませんが、住宅などの財産を維持したまま借金の減額ができるので、財産を手放したくない場合には有効です。
自己破産は、裁判所に申し立てることで借金を全額免除してもらうことができる手続きです。
裁判所で、借金の返済が不可能だと認めてもらうことができれば、借金の残額すべてを免除してもらえるため、返済する必要がなくなります。
ただし、自己破産には注意点があります。
自己破産をする場合には、価値のある資産を手放さなければいけません。
そのため、持ち家やマイカーなどは手放すことになりますので、気をつけましょう。
裁判所で定める基準を超えないもの、たとえば家具や家電、20万円以下の預貯金などは手元に残すことができます。
自己破産をおこなうことで借金を全額免除してもらえるので、まったく返済ができない場合には有効な手段です。
大きく借金を減額できる可能性のある債務整理ですが、ケースによっては債務整理しても借金が減らない場合もあります。
どのような場合には、借金の減額が望めないのでしょうか。
まずは、低金利でお金を借りている場合です。
債務整理のときに、大きく減額できるのは、カードローンや消費者金融のキャッシング、クレジットカードなどの高金利の借金になります。
とくに任意整理の場合には、元本を減額できるわけではありません。
利息分のみが減額対象になるため、そもそも低金利でお金を借りている場合には、借金があまり減らないのです。
たとえば、奨学金や住宅ローン、日本政策金融公庫からの借入などは、低金利のため大幅に借金を減らすことは難しいでしょう。
ただし、減額できる金額は少なかったとしても、返済期間を最長で5年まで伸ばすことが可能です。
そのため、毎月の返済額は少なくなり、返済で生活が圧迫されることが少なくなります。
過払い金が発生していないケースも、借金の大幅な減額は難しくなります。
債務整理で大幅に借金が減るのは、過払い金が発生しているケースなのです。
基本的には、2008年よりも前に借金をしていたケースの場合には、過払い金が発生している可能性が高いといえるでしょう。
一方、グレーゾーン金利などが規制され貸金業法が完全施行された2010年以降に借金を始めた場合には、過払い金が発生している可能性はありません。
自分がいつから借金を始めたのか、しっかりと把握する必要があります。
また、2008年以前であっても銀行や一部の消費者金融では、利息制限法の範囲内で金利を設定していました。
そのため、2008年以前でも、借りた業者によっては過払い金が発生していないケースもあります。
貸付期間が短い場合も、大幅な減額は難しいでしょう。
貸付期間が1年以内などの短い期間の場合には、貸金業者が債務整理に応じてくれないケースもあるのです。
債務整理は貸付期間が長ければ長いほど効果があります。
そのため、期間が長ければ長いほど、交渉に応じてくれる可能性が高いのです。
しかし、1年未満などの短期の場合は債務整理の対象から外されてしまうことがあります。
また、債務整理をしたとしても長期間の借入と比べて利息は少なくなるので、借金が大きく減ることはありません。
債務整理をしたいと考えているのなら、まずは弁護士や司法書士といった専門家へと相談しましょう。
債務整理の流れとしては、まず専門家と相談してどのような方法で債務整理をするのかを決定します。
借金の返済はおこなえるが利息が多くて厳しい場合には任意整理、まったく払えないのなら自己破産というように、専門家のアドバイスを受けながら決めていきましょう。
正式に依頼することが決まったら、専門家から債権者に受任通知を送付してもらいます。
受任通知が債権者に届くことによって、取り立てがいったん停止することになりますから、取り立てを一度ストップさせたい場合には有効でしょう。
依頼後の流れは、それぞれの手続きによって変わってきます。
任意整理の場合には、ここから専門家と債権者の和解交渉が始まります。
貸付期間が短すぎるなどの特殊な事情がなければ、一般的には和解交渉に応じてくれることが多いです。
ここで、過払い金が発生していたのなら元本から差し引く、将来支払う利息のカットなど、支払いが軽くなるように交渉をおこないます。
債権者と同意が結べたら、新たな返済計画に沿って返済していくことになるのです。
一般的には、3~6カ月程度の期間がかかります。
個人再生の場合には、まず地方裁判所を訪れて個人再生の申し立てをおこないます。
個人再生の場合には、「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」どちらかを選ぶことになりますが、基本的には専門家に任せておいて問題ないでしょう。
裁判所側で認められれば、再生手続きが始まります。
個人再生の場合には6カ月~1年程度かかるでしょう。
自己破産の流れも、個人再生と大きな違いはありません。
地方裁判所で破産手続きの開始をおこないます。
申し立てをすると、裁判所から呼び出されて口頭で質問を受けることになり、法律上の要件を満たしているかどうかの審理がおこなわれるのです。
破産手続きの開始が決定されれば、債務を清算する手続きが始まるでしょう。
こちらも、6カ月~1年程度の期間がかかります。